Bloodthirsty butchers / プールサイド 感想

2013年5月30日。bloodthirsty butchersのギターボーカルである吉村秀樹が逝去してしまった。(ナタリーリンク)
あまりに突然で驚いたが、受け止めるしかない。悲しくなってしまうかと思いながら再生したブッチャーズの音楽は本当に素晴らしくて、改めて圧倒されてしまった。そうだ、ココには良い音楽が遺されている。ライブという場での演奏をもう聴けないと思うとやはり寂しいけど、今はとにかく残された音楽を自分の中でもう一度整理しようと思い、ゆっくりになるが少しづつ曲やアルバムについて書いていこうと思う。
ということで今回はBloodthirsty butchersで「プールサイド」です。



音楽で描きあげた水の中、乱反射、何とも言えない遠い記憶の感覚
この曲はブッチャーズの中では、7月の次によく聴いた曲だ(3位は8月かな?多分)。ブッチャーズといえば先ず吉村氏のなんとも言えず魅力的なギターの響きがあげられるが、この曲はとにかく音による描写力が凄まじい。

卓越したベースの表現力に唸る
動画を再生しながら見て行ってほしいのだが、イントロの繊細でどこか荒削りな(矛盾してるがこのバンドが好きな方には分かってもらえると思う)ギターフレーズだけで、まず懐かしい記憶の片隅に放り込まれたような気分になる。そこからのAメロ、かなり歪まされ、輪郭のぼやけたギターが奥で鳴りひびく中ベースが動いていく様はまさしく水中にもぐっている感覚であって、視界が開けるようなサビの素直な轟音は水中からの浮上を思わせる。そしてサビ終わり、ベースの完璧なスライドダウンによって曲の背景は再び水中に戻っていく。ここのベースのニュアンスが本当に素晴らしくて、何度聞いても唸ってしまう。誰だってここでのスライドは思いつくかもしれないが、ここまで曲を演出できるベーシストを自分は他に知らない。

表現力が曲構成を引っ張っていく
また、曲の構成も熱い。一回目は「潜る」ために使われたベースだが、二回目は潜ると思わせた瞬間、真逆であるハイフレットの方に飛んでいく。しかしギターは歪まされたままなので、ここに水中と空気中の境目を泳いでいくような緊張感が生まれている。そこからフッと鳴らされるイントロによって曲は束の間の解放に辿りつき、すぐにギターソロで体温を取り戻して最後のアウトロに繋がっていく。

そして歌詞と音の世界観が合致する
この長いアウトロが深い余韻を残すのだが、歌詞中の「乱反射 水の音」がまさしくここで鳴っているのがわかる。どこからこの音に行きついたかはわからないが、何の脈略もなく入ってくるこのキーボードの音に何の違和感もないのが凄い。この曲からは全体的に遠い、何処か昔の思い出や風景(=プールサイド)を感じるのだが、そう思い返していくときに感じる楽しさや切なさ、その他やりきれない感情諸々がここの演奏で全て表現、包まれているように思える。考えすぎかもしれない。表現がオーバーかもしれない。でも、それだけ魅力的な響きをこの曲が持っているのは確かだと思う。名曲。


いちいち表現が仰々しくなってしまったが、それだけ思い入れの深いということで…。収録アルバムの「未完成」は今値段が高騰してしまっているが、どうにかして手に入れてほしい一曲です。 

     

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No Joy / Wait to pleasure (2013) 感想


Wait to PleasureWait to Pleasure
(2013/04/23)
No Joy

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なんかこの画像で見ると「ペイントで作りました」て感じに見えますね。 多分枠線が見えないせいだな…。

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. E 5:19
02. Hare Tarot Lies 3:26
03. Prodigy 2:36
04. Slug Night 3:39
05. Blue Neck Riviera 4:22
06. Lizard Kids 2:21
07. Lunar Phobia 3:51
08. Wrack Attack 2:56
09. Ignored Pets 2:43
10. Pleasure 2:05
11. Uhy Yuoi Yoi 2:44

Total Length 36:02 
ツボにきたインディロックにありがちな、ほぼ全曲ストライク現象。参考にならんね。

総評・★★★★
ドリームポップにシューゲイザーとインディーロック混ぜて 
ナカコーさんがふと呟いた所から知った一枚。ノイズ成分多めの演奏から女性ボーカルが聞こえてくるというマイブラ系シューゲイザーサウンドを聴かせます。単なるフォロワーには留まらず、自分たちのスタイルを持っているのが素敵です。音楽性としては、少しyuckやdeerhunter、ネオアコ勢に近い物もあるかもしれません。

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タグ: 13年 30分台 秀作

ミスチルの新曲REMが心に響いたんだ

Mr.Childrenがついにというかなんというか、youtubeに自らのチャンネルをつくり、既存のシングル他20曲を解禁した。業界を考えると「おお」、全音源持ってるファンとしては「ほう」位なもんだが、そこに新曲REMのフルが置かれてるとあっては聴くしかない。

ということでこれが今回の新曲REMのフルサイズのオフィシャルPVです。


めっちゃ叫んどる…(驚)というかエレキギターがちゃんと聞こえる…(爆)

最近は大体予想通りの曲が多かったのでこれには本当に久々に驚かされたけど、この曲大好きだ。ちょっと前までショートバージョンが公開されていたが、それでは魅力が伝わりにくいと思うので、気に入らなかった人もどうせだからもっかいフルで聴きましょう。今回は、この新曲聴いて久々にミスチルについて語りたくなったという記事です。ブログに一切記事ありませんが(オイ)、一番最初に好きになったバンドはミスチルなんです。そこからradioheadにいって色々こじれて今に至るんですが。親がよく聞いていたので、自分が子供の時から聴かされまくっただけに冷静に曲を聴くことは不可能なバンドなんで、無駄に熱くなるのを許してくださいね。


今回の曲は別にメロディが良い訳じゃ全くない。アレンジだって勢いでゴリ押ししただけだと思うし、シャウトしまくりで#2601以来の新境地を見せるボーカルも正直あんま合ってない。間奏のバンドサウンドもうちょいカッコ良くなるだろ等々、言いたい事は幾らでもある。

でも大好きなんや。最後のサビでドラムがハーフテンポなしで入るだけでこんなにもテンションが上がる。そしてそのままサビが二回来て燃える。いつのまにかまたリピートしてる。声合わないとかいいながらその声にテンションを上げてる。理屈じゃねぇ!
この曲は、誰かが「糞曲じゃん」といっても全く正しいと思う。だけど自分はどうしようもなく、ただ単純に好き。「クソボールだけど、実は得意コースなんだ」みたいな。これがポップのマジックなんじゃないか。そんな感覚を、この大ベテランバンドから聞けただけで嬉しい。ミスチル、生きてた。少なくとも自分の中では。
何より4分半だもんね、コレ。6分とか行く曲はアルバム中2・3で良いんだよ…。

不親切にもYoutubeの動画にはリンクがはられてないけども、amazonでもiTunesでも購入できるみたいですね。自分はamazonでかってiTunesに入れました。      

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Deerhoof | Live in Philadelphia


このバンドの事は全然知らないけれど、恋に落ちるには十分なライブパフォーマンスでした。ねじくれたポップセンスと綱渡り的に合わせて行く演奏が凄まじいですね。ギターの音加減もそうですが、特にドラムのズッドコバッドコした音がストライクです。アルバムも聴いてみたくなるな…。      
プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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