Syrup16g[パッチワーク]


虚しさ・悲しさ・切なさでもない何か
上昇、下降、一人リフと、スリーピースらしく曲を跳ねさせていくベースラインが魅力的な一曲です。それだけで十分好きな曲なんですが、やっぱり歌詞。歌詞が響きます。(余談ですが、個人的にシロップに「良い歌詞」って表現はなんか似合わない気がします。なんとなくですが)

多分楽したいのです
世界がどうなってようと 明日がどうなってようと 僕は楽したいのです
他人のことなんて知りません ここから逃げたいのです



なんて歌詞から始まるこの曲。多くの人が共感できることでしょう。ここまでならまだいいのですが、ダルな展開から歌詞がどんどん重くなっていきます。

光などなくて 命だけあって 少しの夢
素晴らしくなくて 痛みだけあって 少しの憂い
一体いつまでこうやって 一寸先もわかんなくて
言ってることすらなんだったっけなぁ



誰もがたまに陥る、俺なにやってんだろうな状態。深い憂鬱じゃなく、ちょっと寝っ転がってウダウダ悩むような感覚。こういう時って本当(無駄な位)色々考えちゃうんですよね。この曲は基本的にそういう時の歌だと思います。個人的にダメージでかいのがBメロ。

後のページは途切れた記憶 その他の思い出 理想と幻想 切って貼ってな



パッチワーク。複数の布片を縫って一つの布にする事。
人の記憶に対しての、このパッチワークって表現はまさにという感じ。終盤、理想と幻想 切って貼って を何度も繰り返した後、五十嵐は少し音量を上げて歌います。

都合よすぎるぜ


別に励まされたわけでもなんでもないのに、これがやたらと胸に響くんです。それが自分にとってプラスなのかマイナスなのかもわからないけども、とりあえず響く。響かされる。この感覚こそ、シロップならではだと思います。

ストロークスのBarely Legalみたいなオクターブリフ(同年発売、こちらは7月、シロップは10月なので多分関係はない)、そこにかぶさるドラムとベースの応酬がまた聴きどころ。シロップってやっぱり、バンド先だと思うんですよね。勿論そんな言葉ないんですが、別に鬱を吐き出したいから曲を作るんじゃなくて、まずバンドの曲書きたくて、そこに歌乗せようとしたらどうしようもなくこういう言葉が出てきちゃう、ってその順序だと勝手に確信しています。歌詞の繰り返しが多いんですが、これもボディブローみたいな効果を発揮。最後の裏声、「言ってることすらなんだったけなぁー ハァー↑」で俺は完全にノックアウト。シロップの歌詞にやられた人は安易に「良い曲だ~」なんて言えないと思います。でも、どこか救われたような、まぁ別に何も変わってないような、ハァー↑って感覚に陥ることでしょう。



Syrup16gファーストフルアルバム「COPY」(レヴュー済み)収録。


余談・自分が受験生の時、この曲聴いて不意に泣きかけた覚えがあります。音楽を聴いて感動を覚えたことは数あれど、泣きそうになったのは初めてでしたね…。受験生にPAVEMENT(どうでもよくなる)とSyrup16g(なんか虚しくなる)は禁物です。
     

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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