The Sea and Cake / the Moonlight butterfly 全曲レビュー

01. Covers 
ひたすら背景描写(バックの演奏)に徹するギターが面白い。普通のツインギター編成のバンドではこうはならないだろう。二本のギターが彩る空間の中を、滑らかにステップする様なベースが非常に心地よい。いつも通り風のように舞い続けるサムのボーカルといい、Sea and Cakeの個性が良く出た一曲だと思う。アウトロの、ギターが出たり引っ込んだりする所が特にツボ。

02. Lyric 
「乱反射」なんて言葉が浮かぶ一曲。抽象的なギターの音色がヘッドフォンの空間を右へ左へ、奥行きをも変えながら散らばっていく。バラバラになりそうな空間を柔らかく包み込むリズム隊が匠。感覚的なギターが響く、後半のアンサンブルが聴き所。

03. The Moonlight Butterfly
表題曲。インスト。暗示的なチープ目シンセがひたすら鳴りゆく。良くわからん一曲だけども、次の曲が始まった時は「何かが生まれた、或いはまた始まった」感を感じる。(なんじゃそら)

04. Up on the North Shore 
今作で最もキャッチーであろう、非常に最近の彼ららしい軽快な一曲。間奏のとろけるようなギターが素晴らしい。今作はアウトロがいつもより長めな曲と、空間系のサウンドが多いと思う。

05. Inn Keeping 
10分越えというかつてない長尺の曲。こんだけ長くやってるバンドが、ここにきて長尺の曲を作ってくるのは非常に熱意を感じる。曲自体は、いつものSea and Cakeなら5分行くか行かないかで終わらせそうな感じで進み、そこからはNEU!のごとく反復ビートが繰り返され、いつの間にか10分で曲が終わる感じ。10分の割には特に目立つような展開やソロがはさまれるわけでもなく、クライマックスもないままひたすら空間に音が拡散しながら終わる。長い曲を作ろうというより、いろいろやっていたらこんな時間になってしまったんだろう。後ろでならされる地鳴りのようなフィードバック気味ギターの音が好き。

06. Monday 
4とは違うベクトルで、とても彼ららしい一曲。このバンドが好きな人なら、大多数が気に入るであろう雰囲気を持っている。3分くらいからのギターの展開が、おそらく今作で彼らが目指した所なんだと思う。サムの声はこういう曲にホント良く似合う。ドラムのジョン・マッケンタイアもいい仕事してます。まさに月曜の午後、ちょっと落ち着いたときに聴きたくなるようなそんな曲。

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プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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