James blake / James blake (2011) 感想

もう既に語りつくされた感のある作品を今さらレビューします。この手のジャンルに詳しくない事、一応作曲をかじった事がある事、特別思い入れがないという三点から変わったこと書けたらいいなとおもいつつ書きます。以下。

James BlakeJames Blake
(2011/02/03)
James Blake

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前評判というよりまずジャケに惹かれた感があった。ちょっと得体がしれない感じのセンスの良さ。音楽性と一緒。

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. Unluck 3:00
02. The Wilhelm Scream 4:37
03. I Never Learnt to Share 4:51
04. Lindisfarne I 2:42
05. Lindisfarne II 3:01
06. Limit to Your Love 4:36
07. Give Me My Month 1:56
08. To Care (Like You) 3:52
09. Why Don't You Call Me 1:35
10. I Mind 3:31
11. Measurements 4:19

Total length: 38:00

総評・★★★★
最小限下回った音数が作り出す、スリリングすぎる音空間

単刀直入にこのアルバム、何が凄いってその音数の少なさだ。よくベテランバンドとかが「必要ない音を極限まで排除していった~」みたいなことを言うけど、これはそんなレベルのもんじゃない。もう明らかに最小限以下の音しか鳴っていない。そんなんまで音を減らしてるから、当然コード(和音)感覚が希薄な曲が大半。だのにその上にやたらソウルフルなメロディと歌唱がのっかってるこの謎のバランス感覚。ここが最も「新感覚だなー」と思った。家でフンフーンと歌ったのを録音して、伴奏付けないでパーカッションと音響だけで曲を仕上げてる感じ
和音解釈ができない時スコアにはN.C.と書くが、もうアルバムの半分以上はこの状態。よくこれを完成と扱ったな…。

これは作曲したことある人ほど伝わると思うけれど、物凄い危険というか綱渡り的な音楽の作り方だ。長くやってればやってるほど、普通ならまず絶対に避ける音楽の作り方だと思う。だって一般的な音楽はコードの上にメロディが乗るから感動や心地よさ、説得力が生まれてくるのだ。「それを外すなんてとんでもない」という部分である。そこを外してるそして成立してるだからこそこの作品が説得力を持ってる事にただただ驚く。こんなの可能だったのかと。そこが今作最大の評価ポイントなんじゃないかと思った。勿論中にはある程度しっかりコード進行のあるものもあるけど、なんにせよこのバックから「歌もの」とまで捉えられる作品を生み出したのは本当に驚き。

「リズム感覚の解体」やらダブステップやらの観点もあるんだろうけど、自分としては「こんな音数でも緊張感って保てるんだ」「音階じゃない音でもコード以上の感動を作れるんだ」そして100%ポジティヴな意味でよくこんなん自信持ってリリースできたな」。この3点に尽きる。


最後に簡単な曲の感想を。アルバムとしては1~6までが特に好きです。特に1のリズムずらした「ボゴ」(聴いたことある人には絶対伝わる笑!)のセンスには驚嘆しました。あとは6の、珍しくある程度ちゃんとしたピアノの伴奏で始まるのに急に地鳴りのような音を持ってくる所もグッときますね。
次作ではこのスリリングなN.C.進行とでもいうべき感覚は希薄になっちゃうんですが、それもまた味わい深いあたりに大きな才能を感じますね。次作の感想もいずれ。にしても本当理屈並べやすい音楽だなと思います。そりゃこんだけ面白い音楽、評論家さんも生き生きとして取り上げるよ。

宣伝用の動画はこちら
tr1. http://www.youtube.com/watch?v=KJZ13SyRXhU
問題のボゴソング。この曲が一番好きです。メロディが単純に素晴らしい。
tr6. http://www.youtube.com/watch?v=Y2kXzP7-UTc
この始まりから途中の展開につなげるのはもう完全に常人じゃないですね。

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タグ: 00s 30分台 秀作 デビュー・アルバム

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プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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