Portishead / Portishead (1997) 感想


PortisheadPortishead
(2000/05/25)
Portishead

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意味深なジャケ。そこはかとなく後ろの女性から殺気を感じるのは気のせいか

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. Cowboys – 4:38
02. All Mine – 3:59
03. Undenied – 4:18
04. Half Day Closing – 3:49 個別感想に飛ぶ
05. Over – 4:00
06. Humming – 6:02
07. Mourning Air – 4:11
08. Seven Months – 4:15
09. Only You – 4:59
10. Elysium – 5:54
11. Western Eyes – 3:57

Total length 50:30

総評・★★★★☆
人間の黒くねじれた感情を音楽で切り取った、薄く重い一枚

3年のブランクをものともせず、大ヒットを飛ばした二作目。前作は徹底された音の世界観が魅力と書いたけども、今作の主役は完全に「ボーカル」だ。本当に様々な感情をうたいあげているのだが、どれも怖いくらいに鬼気迫っている。前作は「クール」という言葉が似合っていたが、今作は非常に官能的というかなんというかで、その言葉はあまり似つかわしくない。表面上はそんなに変わってないようにも感じるが、ある程度聴いていくと、今作は「ヤバい」の方が近いと思う。冷たくはないが、かといって温もりでもない。なんというか、出血した血のような薄気味悪い生温かさを感じる。
 
そう思うのは今作のサウンドが全体的にラヴサスペンスっぽいからだ。昼ドラのドロドロした部分をハリウッド的にサントラにしたような曲が多く(どういう事だ)、特にラブソングで見せる表情が凄まじい。そう言うブラックな部分の表現となると、それはもうベス無双が始まるので、そこが今作の(重いという意味で)聴き苦しい所でもあり大きな魅力である。歌詞がまた怨念籠っていて見所なので、今作は国内版を推奨したい。「All mine」での「私から隠れられる場所なんかないのよ 抵抗しないで 私たちは死ぬまで生きていくの あなたのすべては私のもの そうでなくちゃ」。とか怖すぎる。他にも大ブレイクしたことによる環境の変化が影響しているのか、陰鬱な歌詞が並ぶ。傑出してるのが4曲目なんだけども、これはこれで今度記事ひとつかこう。

表面上はたしかに前作とそう変わりない。サラッと聴くなら前作と同じように楽しめるだろう。だが前作を「アンビエント的なサントラ」とするなら今作は「人間の感情のサントラ」だろう。しかも暗く歪んだ部分だけ取り出した、そうとう禍々しいやつだ。聴けば聴くほどヘビーでダーティな一作だが、ファーストからのこの進化(変化)、単なるフォロワーにはやっぱり追いつきようのない完成度である。前作を気にいったなら今作も外せないのは間違いない。

しかし連作での大ヒットは彼らを疲弊させた。このクオリティ、作風なのだから無理もない。ついにPortisheadは壊れてしまい、その後長い沈黙に入ってしまうのだが…。
 
宣伝用の動画はこちら
tr9. http://www.youtube.com/watch?v=MAsrDu3pL2g
前作で言うとGlory boxポジの人気曲。この曲はクールって言葉も合う。初っ端から「私たちは毎日苦しんでいるんだけれど、何の為?」なんて歌詞が放たれる気だるいダウナーチューン。
tr4. http://www.youtube.com/watch?v=K6JTjhWUUyI
恐ろしいまでの一曲。完成度というよりその世界観が。詳しくは個別記事にて
シングル曲は2.5.9。


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タグ: 90s 50分台 佳作

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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