楽曲の供給に対する人手不足と、音楽ファンがすべきたった一つのこと

この記事で書く事は何かしら音楽産業が良くなってほしいなと思っている音楽ファンの方は誰もが考えている事だと思いますが、自分の中でその思いを整理する為に書きました。大した結論でもないので、忙しい方に時間をとらせないために先に結論をおいておくと、「サービスがどうたら、マーケティングがどうたら言う前に、現状は何より先にまず音楽ファンの総数がたりてないから音楽ファンを増やそう」ということです。では以下。


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昔は見えなかった、そして届かなかった音楽にも手が届くようになった時代

今、世の中にはまさしく星の数程の楽曲が存在し、またそれらの殆どが少し手を伸ばせば届く距離に置かれています。誰でも簡単に音楽を制作、発表できる環境が整えられそこらのバンドでも(一応は)世界に向けて曲を発信できる。そうした環境が整う以前の音楽の世界と今を比べて例えると、RPGで地上しか歩けなかった主人公が、船や飛行船を手にいれ縦横無尽に駆け巡れるようになった感じです。マップ(音楽の世界)自体進行形で拡大しているので、そこを巡るというのは、もうある意味宇宙旅行のようなものかもしれません。膨大に生み出される情報によって、この世界は日夜広がっています。 
 
そこで当然ですが、一人が興味をもってしっかり接することができる音楽の量は限られています。音楽は短時間で簡単に色々なものを好きになれるから尚更です。だから音楽好きは必然的に、それぞれの「まぁまぁ良いね」以下を切り捨てて、「コレ好きだな」以上だけ取り上げていく様になるワケです。

自分の場合だと、昔のロックやら何やらを漁るだけで時間もお金も間に合ってないので、ここにボーカロイドやらバンドキャンプとか増やせる余裕はないです。自分が気にいれる曲は間違いなくそこにも沢山あるでしょう。だけど、少なくとも今の自分はそこらのインディバンドやらの曲を集めるだけで間に合ってるんです。こういう状態は、音楽ファンなら誰しもがいずれ陥ることでしょう。「ロック、ジャズ、ボカロが好きだけど、一番好きなのはジャズなのでロック方面に少し手が回っていない」など、幾らでも例は思いつきます。時間は有限です。

つまり、どんなに手が届くようになった所で結局触れられる音楽量には限度がある。でも手を伸ばせば届く所に沢山の音楽はある。だからそれぞれが最も興味を惹かれる音楽に散っていくわけです。そんなこんなで90年代みたいに分かりやすく特定のバンドが盛り上がる事がなくなったんだと思います。その時は手を伸ばしても今ほど沢山は音楽に触れられなかったはずです。まぁ、それはまた今度。

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日夜色々なサービスが展開されているのだが…まぁ、それはおいといて

同時に、音楽視聴に対する金額的なハードルは確実に下がって行っています。サブスクリプション(定額取り放題)などのサービスも一応ありますし、無料で(それか違法で)アルバムのフル視聴などが簡単に可能な時代です。しかし消費金額がどうなろうと、人間が使える時間は限られているので、限界は生じます。どんなに音楽にお金を落とし、時間を割こうと、これほどまでに膨れ上がった世界を把握しきるのは無理です。

なのに楽曲と音楽製作者は日夜増えています。世界には毎日幾千もの曲が産み落とされているわけです。その中には勿論一人の自己満足で終わる様な代物もあれば、多くを魅力するような代物もあります。凄まじいまでの玉石混淆です。これだけの量では、素晴らしいものでも見落とされてしまう可能性があるでしょう。評価されないまま活動を終えてしまう人も出てきます。そう、やっとタイトルに辿り着きますが、今は供給にたいしてどう考えても消費(というか人手)が足りていないのです。一人の音楽消費量には限界があるのは述べた通りです。だから人数が大切になります。

「ある程度自主的に音楽を漁って行ける人」=つまり音楽ファンを増やす必要が有るんですね。「アクティヴユーザー」なのがポイントです。「偶然触れた音楽」だけでなく、たとえば自ら新曲を聴きに行くような。誰かの呟きで見かけたバンドに興味を持ち、ちょっと曲を聴く位の行動を起こせるような。そういう、ある種の観測者のような音楽ユーザがもうちょっと足りてないと思うのです。楽曲が膨大でも、人がいれば自ずと世界は見やすく細分化され、良い音楽には人が一定の人が集まるはず。で、そこについてはついにアルバム売り上げを大台の10万にのせたサカナクションの山口さんが語っています。これは名文なので、読んでない人は是非読んでみてくださいね)まったく頼もしい限りです。作り手は今まで通り良い音楽を作るだけでなく、これからはソレを自分たちにあった方法で発信、広めて行くことが求められるワケですが、彼らはしっかりそこを意識して音楽に取り組んでいるようです。

…でも、それってかなり大きな負担だと思います。そこを「やっていくよ」と覚悟を決め、実際に人気を伸ばしているのだから頭が下がりますが、いつかそれが彼らの活動の足枷になってしまうようなその時には、しっかりそういう音楽ユーザが増えている事を願うばかりですね。
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音楽ファンがするべきたった一つの事

作り手側についてはそんな感じですが、その受け手側、リスナーにも何かやれることはないのでしょうか?新しい音楽サービスを紹介、あるいは活用していく事?それも非常に大切でしょう。でも、結局のところ音楽ファンの仕事ってたった一つです。。「これからも音楽を好きでいて、これだと思うものには時間、そして出来ればお金を落とす事」。これだけです。今まで通りですね。それで良いんだと思います。誰かに音楽を勧める、ライブにいくなど…は一人一人の価値観の領域で、特別意識する必要はないはずです。音楽ファンは音楽ファンらしく、ただ音楽を末長く適切に楽しめばいいのだと思います。投げやりでなく、両者の数のバランスが取れていれば、自ずと自然な姿でしっかり成り立っていくと思うんですね。無駄に過剰な付加価値で利益を稼がないといけない…なんてやっぱりスマートじゃないです。もっと自然な感じにしていけたらいいなと。

一つ余計な口出しをさせてもらえば、「全てでなくても良いから、自分の中でコレだ!と思えた作品位にはお金という価値をつけてあげる」のは、色んなモノがタダになってきた今こそもう少し広まってほしい考え方だと思います。

まさしくな駄文長文失礼しました。次回は「何か一般層を音楽ファンに引きこむ方法はないだろうか」という事をまとめたいですが、さて、いつになることやら…。
 

画像参照リンク
http://www.thinktheearth.net/jp/thinkdaily/report/2010/03/rpt-51.html#page-1 
http://ameblo.jp/neighborhoodnyuuji/entry-11430622559.html
http://news.nicovideo.jp/watch/nw182666
     

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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