The National / Trouble will find me (2013) 感想


トラブル・ウィル・ファインド・ミートラブル・ウィル・ファインド・ミー
(2013/05/22)
ザ・ナショナル

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アーティスティックなジャケ。紙ジャケを開いたその先のアートワークがまた良いんですよ。

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. I Should Live in Salt  4:08
02. Demons  3:32
03. Don't Swallow the Cap   4:46
04. Fireproof   2:58
05. Sea of Love   3:41
06. Heavenfaced   4:23
07. This Is the Last Time  4:43
08. Graceless   4:35
09. Slipped   4:25
10. I Need My Girl   4:05
11. Humiliation   5:01
12. Pink Rabbits   4:36
13. Hard to Find   4:13

Total Length 55:06

総評・★★★★☆
停滞ではない、決意と覚悟の滲む不動の安定感
前作でついにブレイクを果たしたナショナルが、ちょうど前作から3年の年月を経て完成させたのが今作「Trouble will find me」。期待されていたビルボード首位には届かなかったものの、全英米で3位に入り込み、各国でも大体順位を上げるなど、3年のブランクにも、バンドにかかる信頼と期待は揺るがなかった事がうかがえる。そして今作は、そんなファンの期待に正しく真正面から答えた、とても実直で頼もしい作品となった。
これは「マンネリ」でなく「君臨」である
まず最初に記しておくが、今作も彼らの基本的な音楽スタイルは変わっていない。曲ごとのコード進行に合わせて音を折り重ねて行くことで、静かに、そして確かなエモーショナルを曲に込めて練り上げて行く。ただそれだけそれだけをこの3作彼らは臆することなく鳴らし続けたのである。これがどんなに生半可な事でなく、かつ頼もしい事か。奇をてらうでも、付け焼刃の小細工を施すでもなく、愚直なまでに自身の音楽と向き合うその姿勢。そこを先ず賞賛せずにはいられない。これは決して「停滞」などではない。多少派手に良い回すなら、「君臨」といった方が正しい作品だろう。

より繊細なアプローチで更なる深みへ
開幕2曲に象徴的だが、今作は単純な4,3拍で進むのでなく、所々で一拍抜く(あるいは足す)展開がさり気なく多い。些細な事だが、これがどれも上手くハマっていて、溜める所は溜める。すぐ行ける所はすぐ行く。と、より繊細な部分で情感を盛り上げていると思う。前作でもふれたように、音の響きや重ね具合は今作も言う事なしなので触れない。ここらへんの熟練された手さばきには、安易に進化というのでなく、深化という言葉が相応しい感じがする。ボクサーで触れたとおりフレーズ要素は皆無だが、深さにキャッチーなリフなどは必要ないのだろう。

また一つ素晴らしい作品が生まれた
当然というかスキのない13曲55分(ボートラ除く)だが、55分は流石に個人的に長かったのでそこが少し残念。とはいえどの曲も抜かせず、全部で一つの流れをちゃんと持っているので、馴染んでくるとそこまで気にはならない。最初に今作から入るのは重いかもしれないが、またひとつ、彼らの中で欠かしてはならない作品が増えたように思う。

視聴用の動画はこちら
tr5. http://www.youtube.com/watch?v=yIWmRbHDhGw
後半のたたみかけるようなコーラスが熱い。
tr2. http://www.youtube.com/watch?v=N527oBKIPMc
ここまで綺麗な7/8は他に知らないかも。マイナー展開になる所気持ち良すぎ。個別で何か書きたい位好きな曲。
tr3. http://www.youtube.com/watch?v=bFnA-8H-5lo
王道のアップテンポナショナルナンバー。この気品。


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タグ: 13年 50分台 佳作

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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