GRAPEVINE / here (2000) 感想


HereHere
(2000/03/15)
GRAPEVINE

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自分が好きな(紹介する)邦楽CDが大体1円になっているんだがこんなの絶対おかしい

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. 想うということ  (作詞:田中和将/作曲:亀井亨)
02. Reverb(Jan.3rd Mix)  (作詞:田中和将/作曲:亀井亨)
03. ナポリを見て死ね  (作詞/作曲:田中和将)
04. 空の向こうから  (作詞:田中和将/作曲:西原誠)
05. ダイヤグラム  (作詞/作曲:田中和将)
06. Scare  (作詞:田中和将/作曲:西原誠) 
07. ポートレート  (作詞:田中和将/作曲:亀井亨)
08. コーヒー付  (作詞:田中和将/作曲:西原誠)
09. リトル・ガール・トリートメント  (作詞:田中和将/作曲:西川弘剛)
10. 羽根  (作詞:田中和将/作曲:西川弘剛)
11. here  (作詞:田中和将/作曲:亀井亨)
12. 南行き  (作詞:田中和将/作曲:亀井亨)

Total length : 55:53

総評・★★★★☆
濃すぎる一枚、何度も迎えるクライマックスの果てにあるものとは

前作の成功から約8か月、「とりあえず濃い物つくろうや」ということで制作されたの今作、here。暗いとか憂鬱といった重みではなく、演奏と楽曲の濃度が生み出す重さを持った作品です。そこが自分には重すぎて長らく好きになれなかったんですが、最近聞き返してみると、その込められた重さは侮れなく、感嘆してしまったわけで、「あ、これすごく良いアルバムだな」と評価を改めたので書いてみようと思います。
 
このアルバムでまず驚くのは、3rdにしてもうバリバリのアップテンポが存在しない所です。かといってバラードばっかのしっとり聞かせるアルバムでもなくて、16ビートであれ何であれ、駆け抜けるのでなく、とにかくズドンとコシにくるリズムを畳み掛ける作風となっています。彼らは当時まだ20代後半の若手のハズなんですが…。疾走感が無いのに全部スケールでかい or 密度高い曲なもんだから、「濃すぎるよ!」と言いたくなるわけです。そのくせサビのメロディは皆上手い事スッキリしてたり程よく青臭かったりと、良い具合に貫禄持たせないで親近感わかせてくるあたりが頭いい感じですね。

アレンジもロックの基本編成を意識した無用な飾りなしのものが多いので、前作と異なりバリエーションも多彩でなく「大分聞いたなと思ったらまだ半分だった」なんて事もよくあります。5を筆頭にアルバムは何度もクライマックスを迎え、その次の曲でもまた何事もなくクライマックスが来るのでもうデンプシーロール連発レベルの食傷具合。この曲順は「ほら、コーヒー飲んだだろ?次の曲行くぞ」と言わんばかりです。そんな毎週最終回具合の中、表題曲hereでアルバムはもう何度目かわからなくなった大団円を迎えます

そうやってなんとか辿りついた先に何があるのかというと、「南行き」という曲があるわけです。これが憎い!!!とても憎い。このアルバムの中で、この曲だけが明確に浮かされています。ブラスとかノリノリで入ってくる愉快ファンキーな曲なんですが、もう音のくっつけ方からしてめっちゃ楽しそうなんですね。一仕事終えた後に友達と旅行に出かけて酒飲みながら作った位の気の抜けかた。勿論そんな意図はないと思うのですが、何となくこの曲に救われます。なんだろう、シリアス展開入った漫画がなんとかその章を終えていつも通りの展開に戻ってきてくれた感覚。「おかえりー」みたいな。結局アルバムは「理想はもうちょっと上 いやがられて結構 もう後に引けん」という言葉で締められるのですが、その通り、聴き終えた後はこちらもちょっと余裕綽々で大言壮語吐いてやりたくなる位の気持ちにさせられます。自分の聴き方はなんか歪ですが、そんな感じなんです。 

最初にこれ聴くのは多分つまずきますが、どっかのタイミングでさりげなく入手してみて欲しい一枚。この曲密度からの捻くれたラスト、まさにグレープバインて感じで痛快です。  

視聴用の動画はこちら
ライブに差し替えました。熱いー。
Reverb(Live)→リトルガール(Live)→羽根(PV)
バインはライブの方が熱さが伝わりやすい気がする。Reverb、最後のサビを終えてのアウトロが良いんですよい 

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タグ: 50分台 佳作 まとまり

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プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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