風来のシレン2 最果てへの道クリアに寄せて~最終回を見た後のようなあの感覚~


不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!
(2000/09/27)
NINTENDO 64

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風来のシレン2というゲームがあります。結構知名度もあり、実際名作だと思う作品です。不思議のダンジョン系と分類されるゲームで、自分は中学生の時友達からもらったこのゲームに魅力され結構やりこんだのですが、当時どんなに頑張ってもクリア出来なかったステージがありました。それが「最果てへの道」です。その時は結局諦めたのですが、大学受験が終わったあと「家にあるゲームをちゃんとクリアしよう」と思いたち、久々に起動、どうせならと最初からを選んでプレイを始めたわけです。

改めてプレイする風来のシレンはやはりクソゲーでした。
・ほんのちょっとの油断で、何時間も積み上げて強化した武器が失われる
・どうあがいても切り抜けられない状況に、運の要素で放り込まれる
・オートセーブだからリセット不可
・一つの探索を終えれば毎回レベル1に戻る(探索を無事終えるとアイテムは残る)。
特にヤバいのは運の要素とリセット不可の所。これはポケモンで例えるなら、レベル5から42位まで地道に育てていたポケモンが突如手持ちからいなくなり、それと同時にレポートを書きましたとか言われるようなもの。いかに理不尽なクソゲーなのかよく分かると思います。で、パワプロのサクセスとかと一緒でクソゲーが故に繰り返しプレイしちゃうんですね。理不尽だからこそ、そこに経験と実力、そして運すら絡めて勝ちたくなるというか。まぁとにかく、死んでも死んでも何度もやり直しちゃう魅力がこの作品にはあるわけです。

ストーリーとしては一回のダンジョン探索を繰り返して材料を集め、城を作っていくのが目的なのですが、作っていく内に色んなイベントが起き、街の人たちの話ぶりが変わっていくのがまた楽しいんですね。うどんを頼んでるのにいつまでも料理がこなくて、話が進むたびに違う嘆き節をいうデブ(コイツが今回の話の肝です)とか。出来かけの城にたいして随時コメントを出す人とか。まぁそんな些細な変化も楽しみつつ、探索しながら装備を鍛え、時にその装備を失い、また探索しを繰り返しながらゲームを進めていくのです。 

fuurai2-cc124.png99Fまであるダンジョン。長期戦を強いられる

タイトルにある最果てへの道は、そんな風来のシレン2のラストダンジョンとなっています。本編自体は鬼ヶ島というダンジョンをクリアすると一応終わりなのですが、このゲームはそこから4つの濃厚な隠しダンジョンが出現するのです。その濃さは異常で、むしろ本編クリア後が本番と言っても良い程。そんな中でも最果ては最後に登場するステージで、なんと持ち込み、つまり自分が育てた諸々は一切使えない、超鬼畜ダンジョンです。

持ち込み不可なので、序盤は完全に運ゲーです。どんな猛者でも不運が重なると即死します。なまじ運が良くても、一瞬のミス、あるいは不幸でゲームオーバーなんてザラです。で、何が一番辛いって、持ち込み不可ってつまり、「死んだら本当に何も残らない」ってことなんです。何時間かけてプレイしようが、死んだら持ち物は全部クリアされ手持ちはゼロ残るのは今自分が失った時間への後悔だけ。これがもうヤバイくらい辛いです。自分は4時間以上のプレイで五回死んだのを含めて、合計100時間は余裕で失ってます。それは本当に何の実にもならない、まさしくロストタイム。4時間も消し飛んだら、賢者タイムもビックリの真顔になりますからね、本当に。でもまたプレイしちゃう。怖い、このゲーム怖いわー。

まぁそんな鬼畜ダンジョンですが、自分も流石に大学生ともなると頭を使い出すわけです。色んな攻略サイトを見たりしてるうちに自分なりの正攻法を見つけだし、ついにクリアを果たしたんですね。いやぁ、あんときはリザルト見ながら五分は惚けてました。6年越しの快挙。今でも鮮明に思い出せます。
写真 1冷静に考えて9時間とか頭おかしい


んで、クリア後は、ネタバレは避けますがちょっとした場所に辿り着くんです。そこはやってのお楽しみなんですが、自分がこの記事で書きたかったのはその後の本当に些細な変化についてです。前段が長かったですがここからが本題です。自分はこのゲームに本当に多くの時間を費やしました。勿論マニアの方々に比べれば微々たるもんですが、当時は生活の一部になりすぎてて、もう何と無く「このゲームはずっとやってくんだろうな」と思っていましたし、実際まだ装備品全入手も果たしてなかったのでやることはあったし、そのやる気もあったのです。しかし。とある些細な変化がその気持ちの全てを閉ざしたのです。

毎度ながらダンジョンをクリアすると村人達の会話内容が少し変わるのですが、まぁ大体は「もう向かうところ敵無しだね!」みたいなセリフなんです。「お前スゲェな!」みたいな。それを聞きながら達成感に浸る訳なんですが、ここで最初に述べた料理を待つデブに話しかけたんです。すると、彼はこう喋ったんですね。


写真 2 問題のデブ




「最後の最後まで…、うどん、来なかった…」




このなんて事ない一言で、完全に自分の中でこのゲームは終わりを迎えてしまいました。装備品全入手も、モンスターコンプリート欲も全てさめ、時間が停止したかのようにフリーズしてしまいました。

彼は確かに言ったのです。「最後まで来なかった」と。それはつまり、もう自分が何をしようが彼らのセリフは変わらないという実感で、同時に製作者が用意してくれた全てのイベントは終えてしまい、もうこのゲームには何の後も残ってない事を突きつけられる一言だったのです。このあとにもう、この中の風景は何も変わらないんだという実感。「さぁこれからだ」と思っていたら、突如試合終了のホイッスルが鳴ったような。何気ない彼の一言で、自分の中でこのゲームは完全に眠りについたのです。そこには「まだ完全クリアはしてないんだ」という悔いと、その何乗もの「でももうこのゲームは終わったんだ」という思いがのこりました。ここまで複雑な気分をゲームで抱いたのは初めての経験でした。「とある可能性が全て潰える」。そんな瞬間を味あわせてくれる出来事でした。


もちろん「終わってしまった」という感覚は自分が勝手に確信したもので、RTAのようなやり込み、縛りプレイといくらでもそのゲーム、世界を楽しみ、探り尽くすことはできます。それでも、どうでもいい変化に「終わり」を感じて力が抜けてしまう…。多分この話は99.9%の人が「なにいってんだコイツ(ホジホジ)」という反応を示すとおもいますが、自分の中でその時の感情の動きが鮮明かつ混沌と停留したので、ここに記しました。あの時の気持ちは言葉にし難く、確かに喪失感を超えた何かだったのです。ずっと読んでいた漫画の最終回を読み終えてしまったような、あの気持ちです。それを自分は、あんなギャグみたいなどうでもいい一言に感じてしまったのです。人間の感情とは不思議なもので。
 





あ、最後に最果てクリアしてない人に助言すると、基本戦略(攻略サイトを見れば出てきます)を抑えたうえでオニギリを剣に合成して食糧を確保、アークドラゴンは印で対抗するのでなくその存在を抹消、後は適当に弟の印を盾につけて、要所要所で必須アイテムが出てくれれば、裏技みたいなレベル上げなしでも多分30回以内で攻略できます。まだ最果ての道クリア後、その先を見てないという方は、この機にもう一度プレイしてみてはいかがでしょうか?死ぬほど時間ぶっ飛んでくれますよ。
 
     

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プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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