Atoms for peace / AMOK (2013) 感想


アモックアモック
(2013/02/20)
アトムス・フォー・ピース

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滅茶苦茶イキの良いカバーでバネみたいになってたから、もうCD何個も乗っけて全力で押しつぶしたよね。 

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 灰色は好きでない、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. Before Your Very Eyes...  5:47
02. Default  5:15
03. Ingenue  4:30
04. Dropped  4:57
05. Unless  4:40
06. Stuck Together Pieces  5:28
07. Judge, Jury and Executioner  3:28
08. Reverse Running  5:06
09. Amok  5:24

Total length : 44:35

総評・★★★☆
作りこまれた室内楽、音をスタジオで録音するという事
ただでさえ一挙一足が話題になるレディオヘッドのトム・ヨーク(44)に、その盟友ナイジェルゴドリッチ(42)、RHCPのベーシストとして知られるフリー(50)、そこに名うてのドラムとキーボードを加えて出来た、いわゆるスーパーバンド「アトムス・フォー・ピース」(以下AFP)。諸々はwikiで見てもらうとして、とにかくリリース前から色々話題たっぷりな一枚となっている。

大勢の期待を軽やかにスルーする、やたら落ち着いたその中身
このバンドは元々トムがソロアルバムの曲をライブ演奏するために生まれたワケだが、その演奏には異次元レベルのカッコ良さがあった。あまり好きな言葉じゃないが「これが新しい音楽か…!」みたいに一人勝手に唸るほど凄まじかった。(参考までにこれ途中からぶっ飛ぶ)。だからこそ、今作は異次元的な内容にワクワクしながら購入したわけだ。期待値は高かったし、多くのファンもそうだったと思う。だが、今作で鳴っていたのはトムとナイジェルの落ち着いた宅録的室内楽で、そこにまず肩透かし感は否めなかった。「え、折角これだけのメンツをそろえたのにこうまとめちゃうの?」という感じ。話をつなげると、この感覚はレディオヘッドの最新作「king of limbs」のアルバムと、そのライブver見た時と同じものである。

そもそもライブの感覚をアルバムに持ち込もうとはしていない
いつから明確に意識し出したのか(というか本当にそうなのか)はわからないが、トムは明らかに「ライブ」と「アルバム」で演奏…というか鳴らす音を変えている。ファンが「ライブアルバム出せ」、「ライブverを収録しろ」というのも最早恒例行事だ。自分も同意見なのだが、きっとトムは「ライブのあの感覚をいかに録音するか」ということに今興味はないのだろう。今作でも鳴らされているのは単純な解放感や躍動感ではない。トムは今、もっと閉じた所で音楽を練り上げている。こう書くと何か悪口みたいだが、そういう音楽もまた素晴らしいものなのは言うまでもない事だ。 
 
とはいえ期待はずれ感は否めない 
作品の中身だが、正直自分にはイマイチだった。引っかかりがなさすぎて感性が迷子るというか…ボーカルや各楽器のメロディを追うだけでは良さが全く掴めない作品だ。「ココがこうなってるんだな」というより、「(全体を見回して)こうなるんだな」の方がその音世界に浸れるんじゃないだろうか。全体的にぶっとんでもいないし、守りに入りすぎているわけでもない。聴いても「お、おう」で終わるような。トータル作品なんだろうなぁ。とりあえずもっとフリーを活用してほしかったのは正直なところ。

音以外の面倒な要素がないのは非常に好印象
と言いつつも、2013上半期で一番聴いたアルバムは今作だった。別に「理解しよう」として聴きこんだワケではない。もっと単純に、「ちょっと何か聴こうか」という時一番手に取りやすかったのがこれだったのだ。トムが作品を作ると毎回誰かが大層な事を云いたがるが、実際kidA以降そんな大仰な作品は作っていないと思う。それは「才能が枯れた」という意味でなく、それ以降の作品はシンプルに「音楽作ろう」という気持ちしかないように感じるのだ。トム自身「僕らはレコードを作った。そして、売る。それだけ」と語ったように、勿論表現者としてそこに何か自分の思いは載せているが、ソレはソレ、コレはコレというか、あくまでそういう要素は音の隣にポンっと置かれているだけに感じる。今作もそういう作品だ。

別に過大に評価する必要も重要作と位置づける必要もない
どんなにバンドそのものに話題性があろうが、トムは「今こんなことやってるわ」と音楽を作って発表するだけ(余談だがリリース後にアップされまくっていた彼のDJプレイ動画のノリノリ具合といったらない)。聴き手もそれを聴いて「良いな」とか「今作はイマイチだな」と思うだけ。それで良いんじゃないだろうか。内容の密度に比べて込められた重さは少ないから、純粋に聴きやすいアルバムだと思う。別に「シーンの重要作」とか「触れるべきマスト」とかそんなものじゃない。それはクオリティ云々の悪口でなく、単純にそうしたしがらみのない、クールな佇まいの作品だと思うからだ。そんなトム大先生の次なる一手に期待しよう。

視聴用の動画はこちら

Default→Ingenue。自分にリードトラックは選べないのでトム先生のシングル感覚に任せる

来日も予定されているみたいだが、この前のテレビ番組でも披露した通り(コレ。「Ingenue」とかどう考えてもこんな名曲じゃなかっただろ!)、「どうせまたライブverになったら全部俺好みになるんだろうなぁ、何か掌で転がされてるみたいでムカツクなぁ」とか思いつつ今後もこのバンドの動向には目が離せないのであった。

来日時のライブ映像が公開されました。いやーやっぱりライブだと凄くいいじゃんクソぉ…
http://youtu.be/34I7V1s1vX4
     

タグ: 13年 40分台 まとまり

コメント

通りすがった者です

はじめまして。
ナイジェルの事を、少し調べていたら、通りすがった者です。
Amok、Atoms For PeaceのLive、Thomの音楽・Liveに対する姿勢や考え方・捉え方、それぞれに関しての考察(感想)が、かなり自分と一致するところがありまして、代弁していただいたようなスッキリ感を感じましたので、記念に(?)コメントを残させていただきます。
それでは。

Re: 通りすがった者です

NIck さん、コメントありがとうございます。

この記事内容に共感していただけたのは、こちらとしても非常に嬉しいです。
コメントまで残してくれて、励みになります。
これからもRadiohead・AFPほか、トム・ヨークの動きは興味深く追いかけたいです。

> はじめまして。
> ナイジェルの事を、少し調べていたら、通りすがった者です。
> Amok、Atoms For PeaceのLive、Thomの音楽・Liveに対する姿勢や考え方・捉え方、それぞれに関しての考察(感想)が、かなり自分と一致するところがありまして、代弁していただいたようなスッキリ感を感じましたので、記念に(?)コメントを残させていただきます。
> それでは。

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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