Arctic monkeys / AM (2013) 感想


AMAM
(2013/09/04)
アークティック・モンキーズ

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このジャケはどうなんだい。でも見開いてのアーティスト写真は渋くアルバムの内容を表してる

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 、斜体はシングル曲、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. Do I Wanna Know?  4:32
02. R U Mine?   3:20
03. One for the Road   3:26
04. Arabella   3:27
05. I Want It All   3:04
06. No.1 Party Anthem   4:03
07. Mad Sounds  3:35
08. Fireside  3:01
09. Why'd You Only Call Me When You're High?  2:42
10. Snap Out of It  3:12
11. Knee Socks  4:17
12. I Wanna Be Yours  3:04

13. 2013 (Bonus Track)  2:26

Total length : 41:43

総評・★★★★☆
圧倒的な地力でもって新境地に至った快作

アークティック・モンキーズの新作、AM。説明不要の話題作であり、当然のように今作も英国チャート首位を獲得してしまった。「我が道をひたすら突っ走りながらその人気を保つ」というロックバンドとして理想的すぎる状態を保ち続けている彼らだが、今作はどんな作品となっているのだろうか。
 
音楽性の変貌は、今までの流れを汲んだもの
毎度予想の斜め上、フリーダムに音楽性を軸移動させていく彼ら。今作でそのジャンルはついにIndie rock, psychedelic rock, garage rock, hard rock, R&B (英語版wiki参照)となった。ジャンル分けなんてどうでもいいものだが、流石にR&Bなんて言葉は見過ごせない。本作は4トラックに放り込んだ自由なデモの上に、70年台ハードロック(ゆったりとしたグルーヴ感はブラックサバスの影響も大きい)や現代的なR&Bの影響を乗せ、コーラスワークを意識して創りあげられたようだ。R&B的な要素はかなり強くアルバム全体を支配しているが、あくまでもそれはHumbugやSuck It and Seeを経て培ってきた重さや甘さの延長線にあるもの。今までの音楽的成果と、初期とは真逆ともいえる「引きの美学」を随所で聴かす、とても密度の濃い作品となっている。

一番の魅力はアレックス・ターナーの個性を最大限活かした曲作り
今作最大の核はアレックスのボーカルとリリックであり、アルバム全体の音楽性が、そこと見事に相乗効果を産んでいる点が一番の魅力だ。どの楽曲も根はシンプルなリズムが用いられているが、単調さを全く感じさせない奥深いリズムは楽曲に腰の据えた重みを。経験に裏打ちされたギターやパーカッションのテクスチャー、曲をしっかりとまとめあげるベース、余裕があり懐の広いそのアレンジは楽曲に余韻を。ココ数作で一気に表現力を高めたアレックスの声と詩がその上に乗っかるというこのコンビネーション、本当に完璧な連携だ(自然過ぎて音楽性の変化があまり取り上げられていない気さえする)。勢いだけでまとめた1stとは違う、計算と経験でまとめあげたその統一感からは確かな成長を感じざるを得ない。

この変化すら受け止めた、ファンとの信頼関係の強さ
とはいえコイツはどう考えても簡単に受け止められる作品ではない。強烈だった1st,2ndのイメージで捉えられる部分は最早皆無である。ココ2作の流れがあるとはいえ、更に大きく針を振り切っていった今作だ。流石にファンの間でも賛否が別れるだろうと思ったが、ファンは驚くほど動じなかった。見える限りでは賞賛の声が多い位で、多くが何事も無くこの作品を吸収したのである。そこからは、ここまで果敢な挑戦作を創ってきたバンドと、それらを一作ずつ確実に消化してきたファンとの、強い信頼関係が透けて見えるようだ。批評家筋でもNMEが1st以来の満点評価、ついにピッチフォークも初の8点台を与えるなど、バンド過去最大かもしれないチャレンジは驚くほど好意的に受け止められた。なんてこった。一体次作はどうなってしまうのだろう。期待しかないよ。

今までと全然違うのに、間違いなくこのバンドならでは。
その実力をまざまざと魅せつけた快作だろう。…でも全く受け付けないという人が出て当然の変化っぷりだとは思う。あまりに絶賛ばかりだと違和感があるかも?

視聴用の動画はこちら

R U mine?→Do I wanna know?→Why'd You Only Call Me When You're High? シングルをそのまま並べ。…どうでもいいけど全部疑問文なんだな。トータル作品っぽい所があるので気になったら購入しちゃいましょう。

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前作(Suck It and See)はまだ出来てないのでセカンドまで飛びます
     

タグ: 13年 40分台 佳作

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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