THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / SABRINA HEAVEN (2003) 感想


SABRINA HEAVENSABRINA HEAVEN
(2003/03/05)
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

商品詳細を見る
孤高感漂うジャケ。好きです。この色彩感はやっぱり終焉への何かを感じさせるなぁ…。

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 、斜体はシングル曲、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. ブラック・ラブ・ホール
02. 太陽をつかんでしまった
03. ヴェルヴェット
04. メタリック
05. ブラッディー・パンキー・ビキニ
06. マリアと犬の夜
07. ジプシー・サンディー
08. マリオン
09. サンダーバード・ヒルズ
10. NIGHT IS OVER

Total length : 59:39

総評・★★★
到達してしまったロックバンドとしての可能性の追求
新譜としては前作からおよそ2年弱、キャリア最長のインターバルを経てリリースされたのが今作SABRINA HEAVEN。その間には、ウエノさん、チバがそれぞれミッシェル以外のバンドを組んで活動、レコード会社の移籍(トライアドからユニバーサルへ)などの大きな出来事がありました。

今までとは明らかに趣が違う
今作はミッシェルのアルバムの中でも特殊な一作です。過去作には全て、「俺らはストレートなロックが好きなんだよ」という姿勢が伺えましたが、今作は変化球的な要素が大々的に織りまぜられているのが最大の特徴。太陽をつかんでしまったに象徴されるように、チバの描く歌詞は支離滅裂ながら節々で「到達してしまった」ような視点が見え、そんな状況の下彼らがこの挑戦作を放ったというのは興味深いです。
  
全体的にどこかもどかしい
収録曲のバリエーションは(彼らとしては)多彩で、故に好き嫌いが別れる所でしょう。個人的に1.2.7.8はこの路線でしか生まれ得なかっただろう佳曲で、どれもタイプの違う素晴らしい曲達だと思いますが、他の曲には何とも言えない煮え切らなさを覚えてしまいます。3と5は比較的従来の路線ですが、今作においては逆に浮いている印象。6.9の長尺、5の最後に挿入された1分20秒のセッションはバンドとしての試行錯誤が感じられ、その曲展開からは「このバンドはもっと行けるはずなんだ」というもどかしさも滲んで見えるかもしれません。

ストイックに活動を続けてきたがゆえの終着点か
今作にはバンドとしての挑戦と不器用なまでのストイックさが刻まれています。大抵のバンドは「次はこんな作品にしよう」と決めて音楽活動に取り組むと思うのですが、きっとミッシェルは「次はこんな作品に」なんて明確なビジョンを持っていなかったのです。バンドのフィーリングと勢いだけで、エンジンかけて突っ走ることが出来た。だけど様々な活動を通して、バンドの何かがが変わってきた。でもまだ自分たちならもっと凄いものが作れるはずだと信じている。そして一度通った道は通りたくないだけど明確なビジョンはないとりあえずやってみようぜ!!そんなこんなの結晶がこのアルバムなのかな…なんて。

一枚通して聞くことは少ないですが、一つのロックバンドが、何か想像もつかないような境地に達してしまったような切迫感を感じる作品です。そんな状況で大名作に届かなかった辺りが、ミッシェルの本質を表しているような気がします。ともかくも彼らは不器用で、無骨で、無策で、故に最高のロックバンドだったのです。

作品の立ち位置・その内容から見ても、今作に触れるのは正史通り最後のほうに回すのが一番だと思います。

視聴用の動画はこちら

ブラック・ラブ・ホール→ジプシー・サンディー→マリオン。
1は破滅的なドライビングロックチューン。そのパワーに震える。チバじゃないと色々成立しない曲。
7はファン人気も高いレゲェ気味な一曲。ロンドンコーリングが脳裏をかすめる中、曲の世界観が出色
8もさりげない人気曲。赤毛のケリーの改変版的イントロだけど良い物は良い。やはり魅力はその世界観。


前作(Rodeo Tandem Beat Spector)へ飛ぶ
     

タグ: 50分台

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

カテゴリ
Twitter
リンク
クリックで展開
NewCcounter