スピッツ / 小さな生き物 (2013) 感想


小さな生き物小さな生き物
(2013/09/11)
スピッツ

商品詳細を見る
自分が買ったのは金欠につき通常盤!エスペランサー、あかさたなは限定版にしか収録されていないので未聴です…。悔しく。

(佳曲)<太字(好み)<普通。 赤太字は名曲 、斜体はシングル曲、下線は個人的なベストトラック

トラックリスト

01. 未来コオロギ (4:13)
02. 小さな生き物 (3:23)
03. りありてぃ (3:33)
04. ランプ (4:03)
05. オパビニア (3:04)
06. さらさら (4:14)
07. 野生のポルカ (3:34)
08. scat (2:52)
09. エンドロールには早すぎる (4:09)
10. 遠吠えシャッフル (2:57)
11. スワン (3:25)
12. 潮騒ちゃん (3:29)
13. 僕はきっと旅に出る  (4:45)

 Total length : 48:07


総評・★★★★
スピッツらしさを保ったまま、足踏みはせず歩み続ける
前作「とげまる」からおよそ三年、間に編集盤「おるたな」を挟んでリリースされたのが、スピッツ通算14作目となるオリジナルアルバム、「小さな生き物」。草野マサムネが震災を目の当たりにし精神的ショックから倒れるなどの出来事を越えて発売された、これぞスピッツという、バンド再始動を強く印象づける一枚となった。

売上としては、5年11ヶ月ぶりに首位を獲得、初動は前作の9.5万枚から7.7万枚にダウン。とはいえブランク、他バンドの切ないほどの売上減を考えれば、ダウンというより横ばい・大健闘と言っていい結果だ。ファンとの信頼関係の強さが窺える。

リリース形態は、通常版・DVD/Blu-ray付・デラックスエディションの4種類が用意されている。初の複数形態だが、通常盤の他に完全上位互換が選択肢に増えただけなのでファンは一安心。が、一番高価なDX版には新曲が2つついてくる。何だと…。詳しく知りたい方はこの記事を参考にどうぞ→http://moma-bd.com/spitz.chiisana.htm
それでは内容に入ろう。
 

装飾を減らし、シンプルに力強いバンドサウンドで勝負
曲については別記事を作るが、一曲目の「未来コオロギ」、その瑞々しすぎるイントロだけで持ってかれたという人は多いんじゃないだろうか。そのままの流れで王道のスピッツナンバー「小さな生き物」、元気いっぱいの「りありてぃ」と続いていく流れには、ココ数作で感じづらかった小気味いいテンポのよさがあり気持ち良い。

(スーベニアから続いてきた)派手な装飾は意識的に控えられ、バンドサウンドが強調されたのも嬉しい(草野自身、他と自身のバンドを含めて「ここ10年でバンドにストリングスが凄く多くなったから距離を置くべきだと思った」「今回は<はっきりと手短に伝えたい>っていう思いが楽曲作りにはあったんですよ」※1と語っている)。どの曲もバンドの音だけで成立しそうな骨格の強さを持っており、やはりスピッツはロックバンドなんだと再認識出来る。これだよ。

高い演奏力に裏打ちされた振り幅の広い楽曲陣
微妙に認知されていないが、スピッツのバンドとしての演奏力はかなり高い。これだけシンプルなバンドサウンドから、味わいの違う13曲を生み出しているのがその証拠だ。リズムだけでなくアクセントにも気を配った譜割り、ハネノリ横ノリ縦ノリの使い分け、そしてスパイスに遊び心(この歳で「潮騒ちゃん」なんて!)。ポップのお手本のようだ。

最近の作品はシリアス過ぎた所も多かったが、今作はいい意味で肩の力が抜けていて聴きやすい。勢いのある演奏ともども、変に老けこんでいかないその創作姿勢が素敵。演奏力が目立たないのも、アレンジの焦点をしっかり「曲の魅力を引き出す事」に当てているからだろう。これがスピッツだ!アルバムの雰囲気としては、初期作、あるいは三日月ロックが近い。

ベテランロックバンド、かくあるべき
何十周年(今作で26年)を迎えようと、スピッツはスピッツのままだ。しかし彼らは立ち止まっているわけではない。進化しているかは分からないが、確かに今も、歩みを止めずに進んでいる。洗練なんていうマンネリにハマらず、かといって奇もてらわず、その上で新鮮さ・バンドらしさまで保ってしまう。ベテランロックバンドの一つの理想形ココに在り。お見事としか言いようのない盤石の良作。

時代は動かさないが人一人の心に幸せもたらす、そんなグッドミュージック。

締めは草野さんの言葉を持ってきます。つまりはこういう事なんですよね。

音楽で救いたいとか、そんな大それたことではなく。一瞬でも気持ちが軽くなる瞬間を持ってもらえるものが作りたい。それが役割だと思ってる」※2


Rating : 80 / 100


視聴用の動画はこちら

公式から小さな生き物→さらさら。

特集記事・スピッツについて に戻る

参考記事 
※1 スピッツ 『小さな生き物』 - TOWER RECORDS ONLINE :
http://tower.jp/article/interview/2013/09/10/tower013-1
インタビューが公式でネットに少し落ちていたので確保。

※2 スピッツ、『JAPAN』10月号で最新作『小さな生き物』をメンバー4人が全曲解説 (2013/08/31)  
発言のソースです。

他、より作品を理解するのに役立ちそうな記事
「自分が歌ってほしいと思う曲を」~スピッツ J POP TALKIN' より - 隠れ家-かけらの世界-
ラジオインタビューの写し含めた記事。とても面白いです。

TheFutureTimesの草野マサムネさんと後藤正文さんの対談記事を見て
ファンなら必読の対談内容です。感じ入って思わず記事作ってしまいました。作品の佇まいが鮮明に見えてきます。

     

タグ: 13年 40分台 秀作

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

カテゴリ
Twitter
リンク
クリックで展開
NewCcounter