TheFutureTimesの草野マサムネさんと後藤正文さんの対談記事を見て

今更になってしまうのですが、今日こういう記事を読みました。

音楽と未来 ─ 自分の歌を聴きたいって言ってくれる人がいる限りは。(草野マサムネ) | TheFutureTimes :
http://www.thefuturetimes.jp/archive/no05/kusano/index.html

アジアンカンフージェネレーションのギターボーカルである後藤正文さんが主導している、あたらしい時代のこと、これからの社会のこと。未来を考える新聞「The Future Times」。そこからの記事です。ここはいつもいい記事を届けてくれるんですが、今回はスピッツの新作についても、理解を深められる内容となっていたので、紹介したいと思います。


内容自体はひとりひとりが全文を見て、ひとりひとりが各々の思いを抱けばいいと思うんですが、ここでは自分が特に心にのこった部分を抜粋していきます。(引用箇所は原文ままですが、見やすくするため色などつけています)
 
まずは「震災以降の話」での、草野さんの発言です。

「…アルバム作った時期とツアーの時期の間に震災があったので、ステージで歌いながら、震災前に作った歌詞にちょっと違和感があったりしましたね。“この歌詞どうなんだろう?”と。普通の日常だからこそ遊べた言葉があるんだけど、そうじゃなくなったときに全然リアルじゃなくなるというか。もちろんそういうムダな言葉遊びもすごく大事だと思うんだけど、とくに2011年後半とかは歌ってる内容に違和感を持つ曲もあったりして……微妙な時期でしたね」


草野さんの歌詞には言葉遊びがよく出てきます。この歳でも未だに新鮮な語感を保っているのは驚異ですが、そうした遊びが成立しないような状況になってしまった(ように感じた)。日常と非日常のバランスが崩れた中で、何を歌うのか。はたして音楽をやる意味はあるのか?

そこでスピッツは震災後の5月後半、被災地にある高校に、歌を聞いてもらおうと赴きました。草野さんの発言。

「聴いてくれてた高校生たちも、それぞれいろんなツラい体験をしてるんだろうけど、けっこうみんな喜んでくれてたんで、行って良かったなと思ったな。ちょっとの間でも楽しい気分になってくれるんだったら、それだけでも音楽には意味があるのかなと思って」


震災…というか大きな出来事が起きて、それに対して自分は何をすべきなのか、何が出来るのか。実際に行動してみることで、一つ見えたものがあったようです。

そこで新作について、「新作以降の体験が反映されていますか?」という質問に対する草野さんの発言。

ああ、昔から具体的にテーマを決めて、という作り方はあまりしない、というか、できないんだけど。でも自分の曲には、その時々の状況や社会のこととかは無意識に反映されるので、震災のあとに作った歌には、あからさまではないけど“ああ、あのことを歌ってるのかな”と思うような部分はあると思う。この前のシングルとかはそうかな(「僕はきっと旅に出る」)。今までは旅をテーマに歌うことは多かったけど、まだ旅人になれてないっていう立場での歌を歌うのは初めてだったし。そういう意味では、歌はわりと未来に向かってるのかもしれない。



過酷な現状を見据えたことで、無意識ながら、未来を見るようになった。一曲目の「未来コオロギ」から感じられる力強さも、こうした所から来ているのかもしれません。新作に出てくる歌詞たちを、もう一度全部見直したくなってくる話です。

最後に草野さんは、「大道芸人がパフォーマンスを披露し、それに見合う対価をもらうシーンを見て、バンドというものの初心を再認識した」という話から、こう繋げます。

「自分の歌を聴きたいって言ってくれる人がいる限りは、たとえば“もう十分やったから南の離島にでも引っ込んで”みたいなことはできないという覚悟はあるかな。それは役割だと思う。声が出なくなっちゃったらムリだけど」


初心といえば、スピッツには「ビギナー」という曲があります。震災前に発表された曲なんですが、ここに自分が大好きなフレーズがあるのです。そこを引用して、記事を終わりたいと思います。

同じこと叫ぶ理想家の覚悟 つまづいた後のすり傷の痛み
 懲りずに憧れ練り上げた嘘が いつかは形を持つと信じている


自分はそんなスピッツを、これからも聴いていきたいと思います。
     

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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