Damon Albarn / Everyday Robots (2014) 感想


エヴリデイ・ロボッツ(初回限定盤)(DVD付)エヴリデイ・ロボッツ(初回限定盤)(DVD付)
(2014/04/30)
デーモン・アルバーン

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初ソロアルバムはいつになく寂しげなジャケ。「ぼっち」みたいな感じあるけど侘しくて好き。

(佳曲)<太字(好み)<普通 赤太字は名曲 、斜体はリードトラック、下線は個人的なベストトラック
トラックリスト
01. Everyday Robots 3:57
02. Hostiles 4:09
03. Lonely Press Play 3:42
04. Mr Tembo (featuring. The Leytonstone City Mission Choir) 3:43
05. Parakeet 0:43
06. The Selfish Giant (featuring. Natasha Khan) 4:47
07. You and Me (featuring. Brian Eno) 7:05
08. Hollow Ponds 4:59
09. Seven High 1:00
10. Photographs (You Are Taking Now) 4:43
11. The History of a Cheating Heart 4:00
12. Heavy Seas of Love (featuring. Brian Eno & The Leytonstone City Mission Choir) 3:44

Total length : 46:32

総評・★★★★
キャリア約25年を経て、自分名義で作品を出すという事
ブラー・ゴリラズとで大ヒットを収めてきたデーモン・アルバーン。Dr Deeに続く、ついにのソロ名義初の勝負作が今作「エヴリデイ・ロボッツ」。安定した売上で全英3位を記録、衰えぬその存在感を示した。

ユニークでタフな道を歩み続けてきたデーモン
デーモン・アルバーンという人は、他に類を見ないほどユニークなキャリアを創っている。騒ぎに目をつけた派手なライブにより、半ばハイプバンドとして成功した1st。全米進出を狙うもこっぴどい評価をもらってしまい、英国音楽を研究し尽くして自国で大ブレイク。一躍時代の寵児、ブリットポップムーブメントの立役者となった結果、メディアと狂騒にやられパニック障害に陥る。しかし今度は米国音楽を吸収し見事に復活ミュージシャンとしても高い評価を得る。その後退屈なヒットチャートにドロップキックすべく架空のバンド「ゴリラズ」を立ち上げ、ワールドミュージックとヒップホップを取り入れた音楽性とクールな佇まいで世界に旋風を起こし…と、Wikiをサラッと見るだけでも、かなり一筋縄でない経歴を持っていることが分かる。

あくなき音楽への探究心こそ、彼のタフなキャリアの原動力
デーモンはなんとなく「知的クールなサウンドクリエイター」みたいなイメージがあるが、この経歴は相当にタフなものである。まず全米進出に失敗したところで挫けてもおかしくないし、その後メディアに食いつぶされた所なんて解散やむなしの事態である。それでも彼は、音楽を止めることができなかった。新しい音楽を吸収し続けた。その探究心が90年代を超え、2000年代のプロデュース業にサントラ・オペラといった幅広い活躍に繋がっているのである。その創作姿勢は、今改めて評価されるべきものだ。

演者として「ポップシーン」との距離を測ってきたこれまでを経て
彼はいつも「何かを演じてきた」ように思う。ブラーではシニカルなポップアイコンとして。ゴリラズでは架空のアニメーションバンドのフロントマン「2D」として。彼はそうして、ポップシーンとの蜜月的な距離感を保ってきた。しかしどちらの活動でも、後期になると(blurなら13以降、ゴリラズならThe Fall)ポップシーンから少し離れた音楽性を見せるのだ。やりたいことは多いが、ちゃんとバランス感覚を大事にするデーモンにとって、その距離感は常に悩みどころなのだろう。しかして彼は25年という時を経て、ついにある佇まいに辿りついた。ソロ名義。もう、演者はいない。これがデーモン・アルバーンの音楽である。


どんなに音楽を吸収しても、ポップに落ち着けるそのセンスこそ
長くなってしまった。肝心の中身に入ろう。音楽性としてはゴリラズから地続きで、実にさまざまな音楽性が取り込められた、まさに「ミュージック」といった作品である。これだけゴッチャリいろんな要素を混ぜているのに、難解さのないポップミュージックとして仕上げることができる。このセンスこそ、まさにデーモンだろう。しいてジャンルづけするなら「フォークトロニカ」が近いかも。

内向的なのに誰の日常にも響く、それが魅力
実体験をもとにした歌詞、開放感のない音楽性といい、その内容はかなり内向きである。だが不思議なことに、内向的なのに作品が独りよがりじゃないのだ。伝わるだろうか?聴き手を想定した自画像というか…。それが凄くデーモンらしい気がした。曲がちゃんと日常に寄り添って響いてくる。それが「ポップ」の魅力だと思うし、その感じがとても好きだ。星こそ4つだが、長く聴きこんでいくアルバムになりそうだ。

派手さは本当に一切ないのですが、ファンはもとより、いろんな人に聴いてほしい作品だと思います。

視聴用の動画はこちら


関連リンク
Damon Albarn / デーモン・アルバーン 「Everyday Robots [CD/DVD Deluxe Edition] / エヴリデイ・ロボッツ(DVD付デラックス・エディション)」|Warner Music Japan
ライナーノーツの代わりになります。
     

タグ: 14年 40分台

コメント

No title

サム様 こんばんは

キイキイいっているヴァイオリンも、まろやかに聴こえる
落ち着いたポップ・ミュージックですね。
60〜70年代の英プログレ(フロイドとか)
みたいな温かみを感じました。
ジャケット通りのソロらしいアルバムだと思います。


Re: No title

GAOHEWGII さん、こんばんわ

言われてみると60年代英国プログレのソフト・サイケにも似た、
不思議な心地よさとポップ感がありますね。
やっぱりこの人の原点には、そうした英国音楽の歴史があるんだなと思いました。
ベテランの熟成したソロアルバムの体で、リスペクトできる佳作です

> サム様 こんばんは
>
> キイキイいっているヴァイオリンも、まろやかに聴こえる
> 落ち着いたポップ・ミュージックですね。
> 60〜70年代の英プログレ(フロイドとか)
> みたいな温かみを感じました。
> ジャケット通りのソロらしいアルバムだと思います。

No title

「赤(佳曲)<太字(好み)<普通」

不等号の向き逆じゃない?

Re: No title

あいうえおさん、ご指摘ありがとうございます

恥ずかしながらその通りで、
不等号が逆のものをテンプレートにして数年間ブログを更新してしまっていました。
2016年になって気づいて、ボチボチ直していってますが、
数年前の記事だとそのままだったりするので、見かけたらスルーしてやってください……。


> 「赤(佳曲)<太字(好み)<普通」
>
> 不等号の向き逆じゃない?

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プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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