SPOONについて~AOR・音響派をへてモダンとなる60s90sロック

USインディから渋くヒットを飛ばしている、SPOONが新譜をリリースしました。

They Want My Soul [解説・歌詞対訳 / 国内盤] (MGNF1010)They Want My Soul [解説・歌詞対訳 / 国内盤] (MGNF1010)
(2014/08/06)
SPOON、スプーン 他

ちょっとらしくないジャケかな

自分もさっそく買って聴いていますが、う~ん素晴らしい内容です。全米4位というスマッシュヒットを記録した前作から4年ぶり、中々長めのスパンでしたが、人気衰えず全米初登場4位を記録。彼らの確固たる人気はまだまだ揺るがなそう。今回はそんなSPOONについて、特集というほどではありませんが、紹介記事を書こうと思います。

Spoon.jpg
http://www.mxdwn.com/2014/03/11/news/spoon-teases-new-album/
SPOONの来歴
スプーンはアメリカはテキサスにて、94年に結成されたロックバンド。括りとしてはUSインディに属します。フロントマンはギターボーカルのブリット・ダニエル(一番目立ってる人)で、大体の作詞作曲は彼が一人で行います。ブレイクや評価が00年代中盤以降なので、まだ中堅ぐらいの印象もありますが、すでに20年選手、立派なベテランバンドですね。

彼らは96年にデビューアルバムをリリースして以来、まさに「インディ」的に地道なライブ活動を通して人気を高めていきました。、そして4作目、02年発売の代表作「Kill the Moonlight」にて評論家筋から高い評価を得、その存在感を一気に強め、次作「Gimme Fiction」(05年)で全米初チャートイン(44位)、つづく代表作「GaGaGaGaGa」(07年)で初の全米10位を記録。前作となる「Transference」(10年)では、ついに全米4位にまでのぼりつめました特に代表曲や大ヒット作があるわけでもなく、ひたすら着実にその音楽性と評価を高めてきた活動姿勢は、華々しくなってきたUSインデイシーンにおいても特筆されるものです。いぶし銀な職人肌バンドなんだなと思っていただければ大体あってます(たぶん)。

より詳しい経歴については、この記事が完璧な内容ですので是非一読を!
USインディ激動の20年以上をなぜSPOONは生き抜くことができたのか? | 特集 | RO69(アールオーロック)

初めの一曲

まずは現在なぜかY!mobileYahoo!のCMソングとしても日本でも流れている「You Got Yr. Cherry Bomb」をどうぞ。恐らくバンドの中でも最もキャッチーな一曲で、ツボを抑えたブラスアレンジが良い味の一曲です。

音楽性について
ここでは二曲を例にスプーンの魅力に迫ります。そのバンドサウンドの特徴を一言で表すとしたら、「クールなモダンロック」と言ったところでしょうか。60年代ロックンロールなど、「古き良きロックサウンド」が基盤にあるのですが、決して「ビートルズライク」あるいは「ストーンズライク」なサウンドに落ち着いていないのが最大の特徴。ここだけは強調したいのですが、その音楽は決して「オールドロックの焼き増し」じゃない。古典を敬愛しつつ、ある種ポストパンクのようなスタンスで構えているのが個人的には魅力です。不思議な中毒性をもつメロディを武器に、時に音響的なアプローチ・AOR的なセンスも垣間見せる(恐らくこの二つがモダン部分)、シンプルで深みのあるバンドアレンジの妙が最大の持ち味でしょう。しかし、90年代オルタナバンドとしてブレイクできなかった彼らが、00年代を経て「モダン」という形容が用いられる人気ロックバンドになったというのも感慨深いですね…。

そうしたスプーンの魅力が詰められているように思うのが、このクールなカバー曲です。原曲はこちらで、比較的忠実なカバーなのですが、スプーン版はシャープなリズムアクセント、クールな歌い回しでアッサリ仕上げたところに彼らの美学が感じられます。


もう一曲、グッドセンスすぎるピアノが印象的なこちらもあげておきます。この3曲を聴いてもらえれば、大体スプーンの良さが伝わるかと!他にも勿論ラウドなギターサウンドがかっこいい曲など色々ありますが、ここではこの三曲で…。

最初に聴くなら
続いて、入口にオススメなアルバム3つを、簡単に紹介します。

Ga Ga Ga Ga GaGa Ga Ga Ga Ga
(2007/07/10)
Spoon

クソカッコ良いジャケ
初トップ10入りを果たしたブレイク作「GaGaGaGaGa」。当時の年間ベストを見てて、「スプーン/ガガガガガ」というネタすぎる記述に吹いて聴いてみたのをよく覚えています。古典的であるようにして、目を向ければ細部はとことん現代的なサウンドプロダクション。リズムもメロディもその中毒性はすさまじく、(多少ねじれているものの)ギターロック好きなら最初はこの一枚が良いかと思います。
前述の「You Got Yr. Cherry Bomb」、カバー曲「Don't you Evah」ほか、初のトップ30入り記録の「The Underdog」、個人的に大好きなダンスロックチューン「Finer Feelingsなど収録。

Kill the MoonlightKill the Moonlight
(2002/08/20)
Spoon

僕はスプーンのジャケ好きです

評論家筋から一躍注目を集めたのが「Kill the Moonlight」。基本はギターロックですが、バッキングフレーズを主題において繰り広げられる、トリッキーなピアノのカット&ペースト・変則打ち込みビートなどの応酬が聴きどころで、非常にセンスを感じさせる作風となっています。オシャレともシティポップとも違う中々独特な佇まいは唯一無二、高評価もうなずけるクオリティの高さです。センス良いのが聴きたいという人はコレから入ると良いかもしれません。
前述の「The Way We Get By」ほか、ちょっとしたキラーチューン「Don't Let It Get You Down」タイトな「All the Pretty Girls Go to the City」など収録。

They Want My Soul [解説・歌詞対訳 / 国内盤] (MGNF1010)They Want My Soul [解説・歌詞対訳 / 国内盤] (MGNF1010)
(2014/08/06)
SPOON、スプーン 他


…というわけで、新譜です。いや、ガチにですね、今作はスプーン入門としても最高の一枚だと思うんです。作品の感想はまた今度記事にしようと思いますが、先行曲を置いておくので、これにピンときた方。是非どうぞ。多くの人に聴いてほしい、バンドの魅力が良い感じに詰まったグレイトアルバムです。

とりあえずこの動画をクリックしていただければ、今回記事書いたかいがあるってものです。ナイスキラーチューン!来日も期待!
     

タグ: アーティスト紹介記事

コメント

No title

サム様 こんばんは

自分も実はスプーンのこのアルバムを聴いてレビュー書きました。
(8/22に更新予定)

僕にとってはこれがスプーン入門となったので
ふわっとした感想しか書けませんでしたが

サムさんの紹介記事は充実していますね。
為になります。
ロックンロールの伝統を受け継ぎつつも、
テクノ、エレクトロ要素をかなり絡めているのがミソですね。
スケールが大きなところはデヴィッドボウイも彷彿とさせます。

Re: No title

GAOHEWGIIさん こんばんわ

GAOHEWGIIも聴かれてましたか!感想記事、是非見に行きますね。

自分の紹介記事が、少しでもなんかの役に立てば幸いです笑。
ロックンロールに色んな要素を絡めているのがスプーンの肝だと思います。
GAOHEWGIIにとってどういう風に聴こえたのか、記事を楽しみにします。

> サム様 こんばんは
>
> 自分も実はスプーンのこのアルバムを聴いてレビュー書きました。
> (8/22に更新予定)
>
> 僕にとってはこれがスプーン入門となったので
> ふわっとした感想しか書けませんでしたが
>
> サムさんの紹介記事は充実していますね。
> 為になります。
> ロックンロールの伝統を受け継ぎつつも、
> テクノ、エレクトロ要素をかなり絡めているのがミソですね。
> スケールが大きなところはデヴィッドボウイも彷彿とさせます。

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

カテゴリ
Twitter
リンク
クリックで展開
NewCcounter