Thurston Moore / The Best Day (2014) 感想 「サーストンはムーアにしかなれない」

ゴダゴダになってしまったソニックユース、しかしてメンバーの活動は皆精力的。今作はサーストンムーアのソロ4作目で、去年のChelsea Light Movingでの新譜から短いスパンでのニューリリースとなりました。

ザ・ベスト・デイザ・ベスト・デイ
(2014/10/15)
サーストン・ムーア

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このジャケは素晴らしい。タイトルとも良く合っています。

(凄く良い)>太字(良い)>普通 赤太字は名曲 、斜体はリードトラック、下線は個人的なベストトラック

トラックリスト
01. Speak to the Wild – 8:30
02. Forevermore – 11:15
03. Tape – 5:54
04. The Best Day – 4:31
05. Detonation – 2:56
06. Vocabularies – 4:31
07. Grace Lake – 6:53
08. Germs Burn – 5:52

Total length : 50:22

総評・★★★★
良くも悪くもサーストン流でまとめあげた一作
自分はソニックユースが大好きです(挨拶)。ブログ開設初期、いの一番にバンド記事を書いたりりしたくらい。だからこそ今作の主人公には文句垂れたくなるのですが、ゴタゴタから3年、ついに彼が「ソニック・ユース在籍時のサーストン節」を手に新作を出してきた。コレは聴かずには、書かずにはいられないということで今回の、自分にしては素早い更新に至ります。
 
Chelsea Light Movingとは異なり
まずは彼の近況を。前作は去年のChelsea Light Movingになりますが、コレは個人的にイマイチでした。ロックンロールやポストパンクよりの初期衝動感の強いロックそこには確かに後期SYにはなかった感覚があって、それ自体は評価したいのですが、快作には至らなかった。その前は2011年の繊細なアコースティックアルバム「Demolished Thoughts」ですが、あれは制作背景的にも特殊な一枚。何にせよここ4年、意図してかせずか、あのバンドの感じは封じられていたのです。

ザ・ソニックユースなサーストン節を聴かす
そこから続くのが本作The Best Day。今作、もう滅茶苦茶ソニック・ユースしています。正確にいえば、ムーレイストリート以降、あるいはサウザントリーブス辺りの熟したSY。一曲目のクソシンプルで愛想のないギターリフからの展開だけでもう、ファンとしては「あ~」となってしまいます。そこから案の定長い間奏に入って、盛り上がってきた所でイントロに戻って、コーラス部分を繰り返して終了…という、初聴きでも「全部分かってた」レベルの奴の超定番曲構成含め、往年のSYを再起しない方が無理といった仕上げ具合です。なので、まずSY好きなら(色々複雑ながらも)Good…と呟いてしまうでしょう。ここでその先行曲をひとつどうぞ。



集大成だが、予想の枠を超えていくような感覚はない
どうしても「SY的な音楽に戻った」が最大のトピックですが、もう少しディティールに踏み込みます。ギタープレイは時折見せる不協和音感・ハーモニクスの音色・全体的なツインギターの絡み方といい、彼の集大成といえる代物になってますが、それが今作の魅力であり、多分弱点で。気になったのは間奏の単調さです。今回は長尺をとった割にバンドサウンドの醍醐味である「自然変化」みたいな面白みが少ない。SY時代でいうならRain on Tinのような、反復に導かれつつメンバーが次の展開に切り込んでいくあの感じがない。ツインギターにはJames Sedwards氏を迎えていますが、少し遠慮したか。そこが残念。そんなワケで、ベストトラックは個人的に一歩突き抜けた感覚を覚えた、表題曲か最終曲を選びます。

良作なんだけども
とはいえ、バンドサウンドの覚めた・かつ熱い盛り上がりは素晴らしい。こういうのを常に求めているんだろうし、この歳にしてそれが成されているのが流石です。ノイズ成分は少なめで暴力性は少ないですが、良い感じに渋さをまとった快作と呼んでいい一作だと思います。…で、ここから少し愚痴らせてください


去年はリー・ラナルドのアルバムに触れたわけですが、二人ともドラムはSY時代から続く、Steve Shelleyなんですよね。キムは…まぁ相変わらず己の道を突っ走ってますが、皆本当にソロでも何でも長尺の間奏大好きマンで。盛り上がりからの聴き覚えあるドラムのフィルなんか聴くと「ウーム…」となります。や、別にSYを無駄に持ち上げたり、SYじゃないと!なんて事が言いたいんではなく。ただ、本体を煮え切らない宙ぶらりん状態にしたまま、各自が本体でもやれたような充実作を出していく今の状況には首をひねりたくなる。もういっそスパッとケリつけて欲しかったり…愚痴終わりです。


でもこれは良いアルバムです。ムーレイストリート辺りに思い入れあるSY好きなら「コレコレ」となるでしょうし、初めて彼に触れる方にもそれなりに聴きやすい一枚に仕上がっています。ジャケも素晴らしいので、気になった方は是非どうぞ!
Rating : 72 / 100

私的ベストトラック。

サイドギターの絡みがまず新鮮。そして2:30位からの間奏…珍しくペンタトニック気味ソロも出てきますし、そこから終わりに至るまでの展開の変化はまさにバンドアレンジの醍醐味。


The Best DayThe Best Day
(2014/10/21)
Thurston Moore

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輸入盤で購入したので国内盤については何とも言えませんが、セールもあって自分は輸入盤1500円で買えました。お得。
     

タグ: 14年 40分台

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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