blur / TheMagic Whip (2015) アルバム感想


コノジャケハ…コレハ…。折角なのでグレアムに描かせてもよかったのではとか思ったり。

(凄く良い)>太字(良い)>普通 赤太字は名曲 、斜体はリードトラック、下線は個人的なベストトラック

トラックリスト
1. Lonesome Street  4:23
2. New World Towers  4:03
3. Go Out   4:41
4. Ice Cream Man  3:25
5. Thought I Was a Spaceman  6:16
6. I Broadcast  2:51
7. My Terracotta Heart  4:05
8. There Are Too Many of Us  4:25
9. Ghost Ship  4:59
10. Pyongyang  5:47
11. Ong Ong  3:08
12. Mirrorball  3:39

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13. Y'all Doomed (Bonus Track) 3:57
Total length : 51:42

総評・★★★★
各々のソロ活動をブラーの名のもとに集結して
ブラーである。90年代ブリットポップ期の活躍は言わずもがな、02年のグレアム脱退、05年の活動停止をへて、09年のリユニオンライブ(ハイドパークでのライブ映像は感涙ものだ)、10年、12年の単発でのシングル発表。そしてきたる…15年。16年ぶり、ついにのブラーでのニューアルバムの発表…それもグレアム・コクソンを欠かないベストメンバーでのリリース。後追いの自分には初のリアルタイムでの新譜発売であり、まずはこの時に立ちえたのが嬉しい。休止中のメンバーの活動については国内盤の解説が詳しいが、デーモンの活動はソロ作「Everyday Robots」の記事に少しかいた。もちろん、UKにてゴールドディスクも獲得し、すでに8作ものソロアルバムを発表しているグレアムの活躍も忘れてはならない。そんな各人がついにブラーの冠のもとに集結したのが今作「The magic whip」となる。

これは想像以上に力作だ。聴くほどにどの曲も印象に残っていくし、セルフタイトル作以降音楽性が広がりすぎて失われていた曲並びの良さも抜群。50分をダレずに聴かせきり、聴きこませる中身もある。しかしそうした一般的な「良いアルバム」の要素もさることながら、個人的に、一ファンとして最高に嬉しかったのは「デーモンとグレアムがお互いの個性を活かしあって音楽を創った」のが確かに感じられたことだ。


黄金コンビが復活した
自分にとってblurの魅力とは、様々な音楽を研究し影響をうけ、捻くれたコード進行と曲調から皮肉とメロディを導いていくデーモンの作曲であり、それに斜め45度のポップセンスで切りこんでいくグレアムのギター(と時々アレックスのナイスなベースライン)だった。後追いの身で何を語るという感じだが、幼馴染という素敵要素もふくめこの黄金コンビ…これが個人的なブラー最大の魅力だった。

そこで16年ぶりに二人が向き合い続けた今作だ。一聴するだけで「これは最近のデーモンのノリだな」、「これはグレアムを前面に出してきたな」という意図が曲ごとにすぐ分かる。で、そのどちらにもお互いの貢献が見て取れる。この抜群のコンビネーションが再び聴けるだけで感無量なところがある。これがお互いのソロアルバムだったらどう仕上げていたか、ブラーになるとどう仕上がるのか。そんな所を聴きつつ各々のソロ作を聴き返すのも面白い。さらに今作には丁寧に「ブラーらしい」曲まで用意されている。詳しくは一言感想に置くとして、デーモンの非英語圏への関心、グレアムの英国&無国籍ギター、バンドルーツの軽い振り返り…と復帰作としてその懐はかなり広い


地味目なのは否めないものの
しかし残念なところもある。それは例えば「リードシングルをはれる曲が存在しない」。出来はともかく先行曲「Go out」にヒット性は皆無だし(カッコイイのだが)、「Girls & Boys」とはいわずとも、「Beetlebum」や「Tender」のようなスケール感、「Song2」や「Crazy Beat」のような狙いすました曲、最高にキャッチーな「Coffee & TV」だとか、地味ながら名曲の「Out of time」のような曲は正直ない。今のブラーに新たな代表曲は求めずとも、内容が充実しているだけに余計、「この一曲」がほしかったのは素直なところ。


バンドの実力と最新形を提示した力作
しかし、それを差し引いても良い作品だ。リユニオンからの新作発売は色々考えさせられる時もあるが、このアルバムを聴いて失望は欠片もない。。ファンサービスは多少あれど、なんてったってサウンド全体に懐古感がない。最新形だ。後続バンドのリスペクトもあり、空白期間の中でもその存在感を高めていたブラー。16年のブランクから今作も全英1位獲得、全米でも初のTOP30入りと流石の成績。そのバンド力は今も本物だったと断言できる内容となっている。

バンドメンバーのキャリアを追ってきたファンとしては本当に美味しいアルバム。ブラー初聴きの方にも、少し地味だが質の太鼓判を押したい。デーモンは今度はゴリラズの活動に戻るらしいが、定期的にこのメンバーで、ブラーの名の下で作品を創ってほしい。マジのマジに。大秀作。ベストトラックは選べないものの、末長く仲好くネということで「ONG ONG」を。ボートラも実験的なインストで中々面白いです。あとは全曲一口メモにて…

視聴用の動画はこちら。

ブラー印のブリットポッピーなtr1→グレアム印の怪曲tr3→デーモン印の静謐なtr7、一番グッドソングなtr11。
     

タグ: 15年 50分台 秀作

コメント

ありがとうございます

はじめまして。blurファンです。
2014年の来日ライブも行きました!
が、the magic whipについては、YouTubeなどで各曲のライブ動画をたくさんみられるこのご時世、レンタルまで待とうかなーと思ってました。が、問い合わせたら、レンタルは来年からとのこと…
それで、こちらの感想を何度も読み、やはり購入しよう!と思いました。
すごく読みやすく愛情のこもった感想、ありがとうございます!
ライブ動画で聴く限り、確かにキラーチューンはなさそうですが、lonesome streetとgo outが一番かなという感想です。
ただ、アルバム通して聴くとまた良いという感想も多く、こちらでもそのように書かれていたので、ぜひ聴覚だけを研ぎ澄まし、動画ではなく、アルバム買ってきいてみます!
また、ちょこちょこ他の音楽記事も参考にさせていただきます。

Re: ありがとうございます

あいさん、コメントありがとうございます。
返信少し遅れてすみません!

2014年の来日ライブに行かれたんですね!うらやましいです…

今回のアルバムはかなり気合の入った出来で、
レンタルといわずぜひ購入を勧められる出来だと思ってます。
後押しできたなら幸いです笑。読んでもらえてうれしいです。

他の記事も、何かの機会に読んでもらったさい参考になればこちらもうれしい限り。
ありがとうございます!

> はじめまして。blurファンです。
> 2014年の来日ライブも行きました!
> が、the magic whipについては、YouTubeなどで各曲のライブ動画をたくさんみられるこのご時世、レンタルまで待とうかなーと思ってました。が、問い合わせたら、レンタルは来年からとのこと…
> それで、こちらの感想を何度も読み、やはり購入しよう!と思いました。
> すごく読みやすく愛情のこもった感想、ありがとうございます!
> ライブ動画で聴く限り、確かにキラーチューンはなさそうですが、lonesome streetとgo outが一番かなという感想です。
> ただ、アルバム通して聴くとまた良いという感想も多く、こちらでもそのように書かれていたので、ぜひ聴覚だけを研ぎ澄まし、動画ではなく、アルバム買ってきいてみます!
> また、ちょこちょこ他の音楽記事も参考にさせていただきます。

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サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

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