SUMMER SONIC2016、METAFIVE、サカナクションを見た

サマーソニック2016に参加してきました。前段はこちらです。
HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER 2016に行った ~Deerhunter, Dinosaur Jr.
この記事、8月終わりには書き終えてたんですが、公開状態にするのを忘れていて1カ月も間が開いてしまいました…。いつも以上にサラリ、そしてサカナクションだけ文量がおかしい、結局レディヘッドについては未だまとまらず先送りという体たらくですが、ボチボチと。



Mayer Hawthorne
去年はTuxideで、今年はメイヤー・ホーソーンでの開幕。感想は変わらずです。彼がリスペクトしている音楽が、如何に今も万人を笑顔で踊らせるものであるか。そして彼自身がジョイフルな魅力に満ちているか。素晴らしい時間でした。完全に昨夜の疲れもとんだ。



METAFIVE
才能集結みたいなスーパーグループ。ちょうどニューアルバムとツアー日程も決定しましたね。このメンバーの中だと小山田圭吾の活動に一番興味があり。アルバム「META」でも最初に耳についたのは、直近のsalyu×salyu『s(o)un(d)beams』と同じく、過剰な音の群れが空間をひきしめあいつつ、全てはコーネリアス指揮のもと神経質に完全管理されているような、あの音感覚でした(聴いててものすごくしんどいんで、圧倒されながらも自分はあまり好きになれないんですけども)。『META』はメンバー各自の個性と、UKロック、NWに往年のテクノをハイブリッドに融合したダンサブルなサウンドを聴かせ……とこれ以上ないくらい贅沢な食材から、ハイセンスなポップミュージックを仕立てて見せた密度の濃い一枚でした。何よりも、この中年s(LEO今井はセーフ?)が、こんな分かりやすく「どうだ、かっこいいだろ?」という様なミュージック、更にルーツへの憧憬を魅せ付けてきたことが微笑ましかったり、嬉しかったり。

ライブ演奏も、ここまでくると当然ではあるものの鉄壁で。ただ、サマソニのステージ設計の限界もあってか、音の輪郭がぼやけて聴こえる部分が多く、そこは物足りなさもありました。これからまだまだ盛り上がって欲しいです。


KING
Princeの評から観賞しました。女性三人だけで聴かす、非常にシンプルなステージ。ボーカルだけで陽光のシューゲイズのような感覚に(時々この形容使ってますが、どういうこっちゃというとTychoとかRadio deptの『Pet Grief』みたいな、少し靄がかった心地よい音のことです。あれです、スチームサウナ的な……いやそれは違うか……)浸れましたが、今回は名残惜しくも途中離脱でマリンスタジアムへ。アルバムにはあまりピンときてなかったんですが、聴きなおします。この曲とか抜群だったなー。




-----------(ここから長いです)-----------


サカナクション
レディオヘッドの前に登場したのは、現在日本のロックバンドでは突出した知名度と人気を持つ、サカナクションでした。自分にとっては、少しなつかしさがあるバンド。すきな曲を置きながら書いていきます。

(2008)
彼らが作った光景
セットリストは”THE JAPANESE ROCK FES”という感じで、最近の彼らをあまり知らない自分にも明確なくらい、盛り上がる人気曲をこれでもかと詰め込んだものでした(ミュージック→アルクアラウンドのロケットスタート!)。このタイムテーブルには色んな反応があったけど(それよりSUEDEサン……)、幕張メッセ規模を観客のエネルギーで包める稀有なバンドなのは間違いなかった。自分は3階席からまったり眺めていましたが、そこにいる人にすらスタンディングと揺れの景色、盛大な拍手が窺えたし――だから次のアクトの始まりで自分はどうしようもない気持ちになってしまったのだけど――それはいったん置いておいて。懐かしい曲に浸るとともに、今のサカナクションがここまで大きいことには感じるものがありました。

色々思う所はあり。Voの山口氏は「まだまだ踊ってくれますか!」と煽って邦ロック的キラーチューンを披露し、"SABI”のパートに差し掛かると、観客は手を挙げメトロノームのような感覚で縦に揺れる。自分は一部の音楽ライターがいうほどこうした現象に強い拒否反応はないものの(アンセムの大合唱もそんな好きじゃないし)、この光景はあまり自分の中の「踊る」という言葉のイメージにフィットしなくて。あの動きは「踊っている」というよりは、「応えている」の方がシックリくる。いや、バンドが求めているのか観客が求めていのるかは微妙なところですが。サカナクションはどっちか。山口氏の発言だけをみると、スタンス、目標としては「そこを越えていきたい」でしょう。でも、今回のセットリストは完全にバンドが求め観客が存分に応えた形だった。白々しいほど。いや潔いほどに。色々思い出します。


(2009)
個人的なサカナクション史観
彼らがファースト出したのなんて2007年で、もう9年前なんですね。最初に注目を集めた三日月サンセットのイントロにはビビッときたし、ネイティブダンサーはクラスの音楽好きに話題を呼び(このころは相対性理論の名も教室の端の方で聞けましたね)、MVのインパクトも強烈だったアルクアラウンドでブレイクスルーを果たし。でも注目のアルバムは「疑似ボヘミアン・ラプソディ」とも言われたプログレッシヴな大作「目が明く藍色」をリードトラックに発売したり。んで、ちょっと論争が起きたりして。良い意味での野望が感じられたし、リスナーに洋楽を勧めていたりもしていた。多分この辺りまでが、サカナクションが「(今の日本的な)大文字のロック」に辿り着く前だったように思っています。「もっと広く届けたい」という言葉のもと、その後の展開などはいわずもがな。

ところでサカナクションには大きな弱点があると思ってて、それはシングル曲のサビのコード進行パターンの致命的な乏しさです。いや、乏しいというより呪われている、あるいは律儀なくらい、いうところの「王道進行」に打ちごろのボールを多投し続けている(四つ打ち裏ハイハットと同じ位深刻に思うこの辺りの話は、いつかまとめたい)。だからメロディの幅が狭くなるし、それで公約数に応えるドラマ性を持たせようとすれば曲調の印象は自ずと被っていく。今回のセットリストではそれを顕著に感じました。音楽性としても、最先端というよりはリバイバルから曲を仕立てるタイプで、雑誌の印象もあって(うまく括れないけど)ある層の音楽好きにリーチできない節がある。

歌詞の反復・アレンジとテクノポップに強く根ざしつつ、2000年代以降支配的な人気のコード進行を活かしてドラマチックな盛り上がりをつけたシングル曲、独特の訛りのような直観的に耳に残るフックセンス、ミニマルな進行からの展開していく構成力、そして強い意思のもと仕掛けてきたメディア露出で、ここまでやってきた。」というのが自分のサカナクション評です。でも自分は『sakanaction』(13)のころには距離を置いてしまった。


(2011)
連れていくのか、連れていけるのか
その後を追ってみると、2014年のフェスライブでは「クラブハウスにバンドセッションを重ねたような、1時間9曲というテクノ的パフォーマンス」と評され、多分この記事で書いたような「踊る」を求めた演奏だったのではと想像しますが、どうやらかなり賛否両論。から狙い澄ました「新宝島」→今回のサマーソニックと、今の人気(期待とスケール)を背負いつつ、ライン上をいったりきたり。そして完全にふっ切っていた今回、片方の世界では大成功だった……けれど?という所でしょうか。先の作曲からも見れるように、彼らはこれまでのファンの期待にしっかり応え続けようとする。事実それが出来ているから9年もたってまだココに在る。それは驚異的だし、間違いなく無二の存在です。そんな彼らの決意表明が下。

「このまま君を連れていくよ 丁寧に描くよ
 ゆれたり震えたりした線で 丁寧に歌うよ」(新宝島)

その重さを受けながら、「越えていきたい」と語る彼らはどこまでファンを連れていけるのか。いや、そもそも連れていくのか?ラインを越えて確かめたいことはまだあるか……。

分からないけど、あの盛り上がりはやっぱりすごくて。対岸から揶揄されることが多いも、この観客のエネルギーが自由な形で色んなステージに発散されたら本当に最高だと思うし、そんな光景が見たいです。サカナクションは改めて先導者として舵を切るのか、そこに錨を下ろしてしまうのか。次のシングル、ご無沙汰のオリジナルアルバムがどう出るか、ですね。

自分がこのバンドで一番好きな曲は瑞々しい「WORD」と、笑顔では決して躍らせないであろう「エンドレス」、アルバムは「GO TO THE FUTURE」と「kikUUiki」で、「フクロウ」「夜の東側」、「シーラカンスと僕」「表参道26時」とか好きでした。ファンの方々はどんなふうにサカナクションを追っているんだろう。話を聞いてみたいです。



RADIOHEADはまた別記事にて。ライブ見れば音楽性についてもかけるかと思ったんですが、難産ですね。

     

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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