Diary#03 2017年2月の5枚

今月はあまり漁れなかった……そのぶん3月にたまっています。ストリーミングに慣れてきたところで、Soundcloud、Bandcampも活用できるようになりたいな、と。それでは今月分のセレクトと感想を。
(発売日でなく自分が聴いた時期なのであしからず。ジャケ画像は張るのが楽なのでAmazonのもの。曲リンクは動画が見つからなかったら収録アルバムのリード曲他です。)



201702_Music-min.jpg
https://itunes.apple.com/jp/playlist/2017-02/idpl.ba9fb0ed15b449f6b857c1607c4130cf

◆2月のフェイバリットトラック(大凡)
Clap! Clap! / Ode to the Pleiades
・KREVA / 神の領域
・Homeshake / Every Single Thing
・Little Barrie / Love or Love
Foxygen / America




Clap! Clap! / Ode to the Pleiades
イタリアのジャズ・ミュージシャン兼DJ(どういうこと…)、”Clap! Clap!”の2nd。「トライバル・トラップ・ベース&ハウス&ダウンテンポ」という形容がされるほど、多ジャンル多ムーブメントを巻き込んだ、サイケとはまた違うトリップ感を持つ異空間ダンス・ミュージックです。インドアスタイルのリスナーだからか、「再生している間、ここじゃない別の場所(時間、歴史)にいられる」ようなものに強く惹かれます。という所で、寂寥のファンタジー空間に連れて行ってくれた先月の「Bonobo」に続いてこの一枚。これさえあれば部屋にいながらアフリカから宇宙までで踊れる。

ベストトラックは「Ode to the Pleiades」。南米発ベースミュージックみたいな所から往年のダウンテンポまで結ばれるような曲構成には心奪われる。Moodymannの名曲「The Thief That Stole My Sad Days」(名曲)といい、この手のにクッソ弱い。そしてその曲タイトルは「プレアデス星団への抒情詩」。自分の音と想像を宙にまで結んでしまう、このロマンチストめ。最高です。
Great New Albums.





・KREVA / 神の領域
説明不要の日本人ラッパー。『よろしくお願いします』あたりでサビメロの感覚に違和感を覚えて離れてしまっていたんですが、この曲のバランス感覚といったら凄まじい。ラップのリズム・スピードは言わずもがな、ベースミュージックから一瞬でサビを仕立て上げる、洋邦同時に抱え込める懐の広さに感服。その一方で、「想い出の向こう側 feat. AKLO」のリリックからは、意図せずして孤高になってしまったような哀愁も……。「誰も置いてかない こっちの世界も覗いてかない 連れてきたい」という変わらぬ思いと、今の立ち位置の難しさ。国内RAPのインディシーンは現在活況とよく見ますが(KANDYTOWNが良かったです)、そことKREVAの関係とかってどうなってるんでしょう?
KREVA - 108秒で聞ける『嘘と煩悩』 - YouTube(ところでRapのアルバムPRでフックだけ取り出すってなんなんだろう?それでもイケるひとではあるけども…もう少しやり方があるんじゃないかと少し。)



・HOMESHAKE / Every Single Thing
マック・デマルコのサポートギターメンバーにして前作『Midnight Snack』('15)にてプチ・ブレイクを果たしたローファイ出の新鋭。「まるでディアンジェロを経由したペイヴメント」、なんてちょっと過剰なパワーワードに眉をひそめましたが、今作のこの曲は格別です。夜となりに一緒に寝る相手がいないひとにも優しい、絶妙にチープでフェイクなインディ・ベッドルーム・R&B。でもアルバム単位だと甘ったるすぎて聴き通せない。声はしょうがないとしてもビート自体に飽きてしまうのは、自分の耳が出来あがっていないからなのか、宅録の人脈・個人の限界なのか。そこでというか、3月はFKJを取り上げる予定。
Homeshake - Every Single Thing (Official Video) - YouTube



・Little Barrie / Love or Love
UK発のスタイリッシュなギターロック小僧ももう5作目。スパイ映画のサントラを意識した(Portisheadかな?)前作『Shadows』はキャリア更新作だったと思うんですが、続く今作はバンドの成熟期を存分に楽しみ詰め込んだようなフルボリューム19曲のさながらスタジオセッション・アルバム。世代感覚としてヒップホップの影響、リズムを無視せず、その上で自身の志向するバンドサウンドを連ねたモダン・ブルーズ群は職人の域で、グルーヴとリフだけでアルバムが成立してしまう、これがロックバンドの強みに感じます。やたらに軽いドラムの録音だけ個人的に本当に残念(プレイは最高)ですが、もう好みの問題ですね。狙いすましたようなパンクチューン「Love or Love」は久しぶりに「クールで痛快なUKギターロック」を聴けました。単独来日希望……。
Little Barrie - Love or Love - YouTube



Foxygen / America
2010年代前半のインディ・シーンに繰り出し、昨年はプロデュース業にて「Whitney」、「The Lemon Twigs」と温故知新に広く愛されたデビューアルバムに携わったFoxygen、満を持してか3年ぶりのアルバム。

これはすごい。50~80年代くらいまでか、自分ではこのアルバムの数多い(だろう)参照点や時代に対して適切な言葉を紡ぐことは全くできないけれど、展開を捻じりまわしたアレンジセンスとこのメロディ、一曲中にここまでアイデア突っ込んでゴタ混ぜにしてい"オルタナ懐古"みたいな音楽絵巻はそうそうないはず。これはすごい(←)。"ミュージカル"という形容にすら納得できるインディアルバム。

強いて自分が書いておけるなら、「往年の~を蘇らせた」とかじゃなく、数十年じゃ遡り切れない歴史を踏まえたうえで、本来バラバラなはずのタイムスケールが同じ列に並んでしまう編集・景観がとんでもないなと。その上でリード曲のタイトルは「America」、パンチラインが「If you're already there, then you're already dead.なんだから、これはもうLambchopの名作『Nixon』と同じく音楽オタクにしか創れないだろうコンセプト・ポップアート。不遜にボウイかもしれない。インディ万歳な作りであって、インディに纏わりつく閉鎖的なスケールと価値観からはみ出した傑作です。「Mr. Adams」もやばいし、いままでのサイケ・ポップとしてのFoxygenを聴いていなかった自分にとっては完全に今作で化けた。パッと見で評論家筋の評価が過去作より低いのはよく分からないな―。
Great New Albums.
     

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

サム

Author:サム
旧「一人音楽座談会」。
音楽に限らず、作品やアーティストに対する検索結果がもっと充実したらという気持ちで更新しています。「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。
背景はBOCの「Tomorrow's harvest」。Twitterは↓。

カテゴリ
Twitter
リンク
クリックで展開
NewCcounter