2017年の一枚 pt4 Thundercat / Cameron Graves / Ronld Bruner Jr / Kamasi Washington

ずっとサボっていたぶん、連投です。
前回→Diary#04 2017年この一曲(一枚) part 3

まずは最近のブログ更新について。
・スピッツがまたベストを出すみたいですね。3枚組となっていますが、前2枚組は再発のリマスター、注目は新曲3つを含めた『『CYCLE HIT 2006-2017』。どうせならファン外へも露出も高めて…なんて思いつつ、アナログリリース含めてこの祭りを楽しみたいです(迷いましたが『名前をつけてやる』をLP予約……!)。
スピッツの全作振り返り記事をちょこちょこアップデートしました。振り返りにどうぞ。
スピッツ 全フルアルバム 感想 -初期-

この全フルアルバムシリーズ、ミスチルのが止まってて。『Q』→『It's a ~』における奇跡の復活、視線の流れを書きたくて始めたんですが、『深海』を前に死にました。こちらもデジタルにてベストが発売。いつか書き終えたい。




それでは今月分のセレクトと感想を。
・Thundercat / Drunk
Cameron Graves / Planetary Prince
・Ronld Bruner Jr / Triumph
Kamasi Washington - Truth
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昨年のフジロックの余韻が抜けておらず、恐る恐るでジャズを漁っています。
FUJI ROCK 2016で見たKamasi Washingtonが最高だった
そのあとは「カマシ」の文言がついたやつ手あたり次第、柳樂光隆さんが紹介しているやつやらを漁ってみて、もちろん当たり外れ、苦手あり(Robert Glasper関連がまだシックリこない……)ではあるものの、自分が勝手に抱いていたJazzのイメージと全く異なる新世代の音楽は、伝統のような堅苦しさはなく、むしろ悪乗りすらある楽しいシーン、そしてその中で圧倒的な才能も鳴ってもいる、刺激的な未知の世界でした。何と言ってもこの人たち、滅茶苦茶にファンキーなんですよね。それだけで好き。

柳樂光隆の新連載! 即興性を発揮しながら、ジャズリスナー以外にも訴求する“越境”の新譜5選 | Real Sound|リアルサウンド
今回はこの記事あたりから掘りました。天才たちのフリースタイル、趣味丸出しという意味でインディ・バンド勢とも共振するであろう、かなり人肌な作品群です。ひとり尋常でないのがいますが……それは最後に。

Spiderland?
・Thundercat / Drunk
→Favorite:「Uh Uh」「Tokyo」「Friend Zone」

演奏家としてはフュージョン発の超テク・ベーシスト、Brainfeeder所属、ミュージシャン(Ba, Vo)としてはネオ・ソウル(Erykah Badu)、エレクトロニカ(Flying Lotus)、ヒップホップ(Kendrick Lamarほか)などに貢献してきた名手、そしてTwitter的にはメガドライブのひと、サンダーキャット。そんな経歴が物語るように今作の内容も定義不能。「ノンジャンル化」とか「クロスオーバー」やら言いますが、この"移り気"以外の何物でもない23曲51分という身のこなしにそんな生真面目な言葉は似合いません。ひとりが持つ雑多な音楽趣味・嗜好が、剥き出しのセンスと愛嬌によって一作に。その題は『Drunk』、聴き心地はこの上なくユーモラスでスムース、隠し味にNWやレトロフューチャーをそえてって具合。歌詞にツッコミいれながら聴きましょう。

出自だけなら同じく超テクでジャンル超え突き抜けたひとSquarepusherが浮かんできますが、学生時代にバンドを組めたかラップトップが親友だったかが分かれ目だったかも(オイ)。んでその合流点みたいな「Uh Uh」がまた最高。マジメな話だと下の記事が抜群に面白かった。
「ジャズは常にそこにあった」:サンダーキャット・インタビュー | read | i-D

こんなメトロポリスもあり↓歌詞のアホ具合にサムズアップ。
Thundercat - 'Tokyo' - YouTube



某殿下のジャケ的なダサさが
Cameron Graves / Planetary Prince
→Favorite:「Santania Our Solar System」「Planetary Prince」「Adam & Eve」

アメリカ西海岸のジャズシーンで活躍するキーボーディスト、キャメロン・グレイヴスの初リーダー作。メンバー自体猛者揃いですが、今作の主犯はCameron Graves(p)とRonald Bruner Jr.(ds)でしょう。スラッシュ・メタル愛好家のふたり、やはり波長が合ってしまうのか。ピアノが低音弦ギターリフのような左手から右手で縦横無尽に鍵盤を走らせれば、ドラムは奇怪なアクセント移動に細かすぎるフィルインで潰しにかかり、ベースのHadrien Faraudが何とかふたりを紐づける。曲によっては人選ミスったファンク・バンドのような感覚すら覚えるこの三角形、めちゃくちゃフリーでカッコいいっす。ロック脳的に、スリーピース……Syrup16g...The Police...ってなってくんですが、こんな無茶苦茶な殴り合いもあるんですね。超演奏を見せながら本人たちは汗もかかず笑ってそうな才能の驚演。↓のやつ、スペイン舞踊みたいなメロから2:50~3:50くらいまでの壮絶な掛け合いは震える。「Adam & Eve」は『The Epic』好きなら必聴です。
Great New Albums.




ドキュメント映画のポスター感
・Ronld Bruner Jr / Triumph
→Favorite:「Take the Time(feat. Thundercat)」「Geome Deome(feat. George Duke)」

続いて、前述のキャメロン作で暴れまわっていたドラマー(Thundercatの兄!)のソロ・デビュー作です(紹介記事)。バンド参加でアレなんだから、リーダー作はどうなってしまうんだ……って、一曲目の出だしから本当にドカドカ喧しいし、そこに本人がソウルフルに歌いだすんだからもう笑います。吉田ヨウヘイGroupのギタリスト、西田修大さんの呟きも印象的でした。クッソ重たいプレイはロック好きも唸るはず。聴きどころは多彩な楽曲群に合わせた全曲質感の異なるドラムス。何の臆面もなく打ち込みでハウス(tr6)、ディスコ、トラップ(tr10)まで広げてくる感覚、歌ものへの引きのプレイ、彼のアプローチ姿勢が伺えます。ズルいのが、最終曲で2分半思う存分叩きつくしたあと、いきなり本人音声でスペシャルサンクス的な朗読が始まり、「You...」とキメ台詞をエコー付きで耳に残して幕引きするやつ。この兄弟はラヴぃ。

ほか、ハードロック気味フュージョン、ある意味90sキング・クリムゾン的ですらある↓とか。悶絶。
Ronald Bruner Jr. "Geome Deome (feat. George Duke)" - YouTube



Kamasi Washington - Truth
カマシ・ワシントンの紹介については、こちらの記事をどうぞ。えー、この曲に関しては、壮大な本曲の制作指揮者となったカマシ自身の言葉、そしてそのアートワーク、楽曲自体を聴くのが一番、それ以上は必要ないかと思います。
以下はMikikiより引用のカマシの言葉。

「異なるメロディーを融合することで生まれる美しいハーモニーを聴いて、リスナーが我々人間一人ひとりの違いの中に ある美しさに気づいてくれることを願ってるよ」
Mikiki | 現代LAジャズの巨星カマシ・ワシントン、XXやサンファら擁するヤング・タークスに移籍! 13分超の壮大な新曲“Truth”を公開

楽曲は大きく三部構成、15以上の楽器、総勢30名弱のプレイヤーの演奏・即興を内包し奏でられます。そのアートワークは以下です。
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そしてその実像がこれ。


Pharoah Sandersの『Karma』やTortoiseの『Djed』の様な自然発生的な変遷を辿る長尺でなく、フィッシュマンズの『LONG SEASON』のように循環コードをひたすら展開した、構成自体は非常にシンプルな一曲。そこにこのメッセージ、人数、音をひとつにまとめるだけで、なぜこんなにも感動的なのか。祈りに似た感覚を覚えてしまうのか。ライブに感動したあとって、音源で「アレ」には至れない(別のものとして聴く)ことが常だと思うんですが、この録音は、感覚を録れている。「~年はこうだった」なんて嫌いな物言いながら、作曲、演奏、録音ふくめて、2017年に奏でられる最大スケールの名曲です。

う~ん、ここからずっと野暮な文を打っていたんですが、止めました。何が恐ろしいってコレひとつでまだ"先行シングル"な訳で……夏に予定の新EP(既に14分なんですが、ほかは小曲なのかな?)、更なる全貌を待ちます。もう絶対やばいでしょと。
omg best track ever.

しかも9月には来日報決定済みですし、本当に得難い機会と思います。他メンツも抜群で、これは要注目かと。
Blue Note ジャズフェスティバル in JAPAN 2017【公式イベント】



というところで今回は終了。どこもかしこも良い音楽だらけですね。
上半期ベストをやる予定はないものの、6月終わりまでには大体挙げたいので、しばらくこんな更新が続きそうです。

     

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サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

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