ARTO LINDSAY JAPAN TOUR 2017 @渋谷WWW ライブ記

アート・リンゼイの2017年来日ライブに行ってきました。今年初めにリリースされた『Cuidado Madame』に伴うツアーですね。ソロ名義10年ぶりの新作は長い空白を一気に埋めた傑作でした。特に素場らしかったのは、ソロキャリアで模索していたプログラミングによるビート志向が、新世代ミュージシャンの参加によって、ブラジルの民族リズム・昨今のジャズと融合を果たした点です。

生楽器の要素が強まり、一気に若返りモダン化したバンド編成。そのメンバーそのまま来日の公演。これは見るしかない

自分にしては珍しくちゃんと記事を更新したので、「アート・リンゼイって?」、や「Cuidado Madameどうだった?」っていうのは下の記事を見てもらえれば。。
アート・リンゼイはノーウェーブ/ジャズ/ブラジル/オルタナを渡り歩き続ける
Arto Lindsay / Cuidado Madame (2017) 感想  ノーウェーブ、ブラジル音楽の証人が立ち会わせた2017年
タイトル被ってまるな……?

それでは早速本編、当日の模様について書いていきます。

まず、アート・リンゼイのライブってどんなんですかねぇと。代名詞である即興ノイズはともかく、彼のメロウな部分はこの動画に集約されています。昔のですが。

めちゃくちゃいいっすね……。で、今回はここにこんなリズムがくるわけですよ。
https://www.instagram.com/p/BVrzHZsjc3x/?taken-by=kassaoverall&hl=en
行かなければならない。そして当日です。




Lindsay2017-min.jpgブレブレやぞ
会場は渋谷WWWでした。なんかバンドのライブでは毎度「渋谷」を訪れているような。受付は手荷物検査がありました。やっぱり最近厳しくなったんでしょうか……。


今回は、来場者特典として「日本のファンのために作られた未発表新曲」なるもののプレゼントがありまして、リンク先が書かれた、ソングチケットのようなものをゲットできました。
Lindsay_SongTicket-min.jpeg※URL部分はアプリで消してます
あっ、このカード感は良いですね。ライブ行ったときっていつも記念にチケットを保存するんですけど、コンビニ発券のチケットってすごい機械的・事務的なデザインじゃないですか。名刺サイズだけども、こういうのがあるとちょっと嬉しいなぁ。裏も新作のアートワークです。
ところで6/25にURLにジャンプしたら、「This track was not found. Maybe it has been removed 」って出てきたんですが、世知辛くない?



サポート・アクトはOGRE YOU ASSHOLE。なぜか巡り合わせが良くて年1で観れてる気がします。今回は持ち時間も30分と短く、ちょっとライブ・バンドとしては不完全燃焼な尺。40分はほしいなー。最後の「見えないルール」が一番横揺れを生んでいました。


そして19:20ごろから、メイン・アクト、「アート・リンゼイ」バンドの登場です!編成はこちら。(ちゃんとした)ギターがいないので、和音系は全部keyが担当する感じになりそう。

Arto Lindsay (Vo, G)
Melvin Gibbs (b)
Paul Wilson (keys)
Kassa Overall (dr)
Marivaldo Paim (percussion)

で、まぁ一気に終演まで時間を飛ばして。
Lindsay_Stage_Picture-min.jpgステージ参考(ブレ)
うーん想像以上に良かったです。正直ここまで良いとは思っていなかった……。やっぱり今回の編成の主役はドラムとパーカッションで、それはアンコール最後で二人を残して他メンバーがはけた(スポットを当てた)ことからも明らか。自分には拍頭が掴めない、耳慣れないリズムも多かったんですが、その中をアート・リンゼイ御大が「ガッ/ガッ/ガッ/ギュルギュルギュル」「ハッハーwww」「グァガガガガgピー」と、あのリードでもリズムギターでもない"何か"で弾き倒していく様は本当にカッコ良かったです。歌がこれまたサウダージ感すごくて、上手いでなく"良い"。と思ったら急に叫びだしてギターを掻き切ったりする哀愁と狂気。これで御年64歳、恐れ入りました。憧れる。


演奏はやっぱりkeyが大黒柱。即興パートに入ってノってきた時鳴らされるオルガンの音と、リンゼイの無調ノイズギターが不思議と滅茶苦茶合っていたのが印象的でした。最後は演奏放棄で踊ってましたし、一番楽しそうでしたね。で、ファンキーなふたりを締めるのがMelvin Gibbs(ba)で、この人は見た目と裏腹にホントーに落ち着いていた。さながら実験観測者みたいで、振られないと即興にも乗らないし、インタビューで「アートをギタリストとしては評価しない」「彼のことは音の干渉主義者だと思っている」という節は納得かも。まぁと言いつつ30年来以上の付き合いがあって、新譜に関して率先して若手メンバー集めてと、めっちゃいい人ですよね。


演奏時間は1時間20分ほど、セットリストは新作中心に旧曲も良い所取りした代物でした。全体的に同期も少なく、原曲再現というより「この編成だとどうなるか?」が聴きどころで、次があってもまた違うんだろうな。
新譜から「Each to Each」、「Dust in the sky tonight~♪」のライン本当に良いメロディだ……。全体的に即興がすぎて身振り手振りでバンドに終わりを指示していたリンゼイですが、「UnPair」はどう終わるのか、どうなるのか本当に全く分からなかった苦笑。そして「Illuminated」!一番好きな曲だし、3分半の原曲が元に存在しないノイズに乗って8分ほどの未知の領域に踏み込んでいったときは「あぁ何て良い瞬間に巡り合えたんだろう」と感慨にふけってました。(まぁ最後は原曲の面影なかったけど……)

Lindsay_Gt-min.jpgなんで公演終了後の写真までぶれてるの?死ぬの?
最後はやっぱりリンゼイの話で終わらせましょう。セットリスト中盤、「Arto Solo」と銘打たれた、リンゼイ以外全員はけての10分ほどの独演。これは本当に頭飛んでましたね……。ギターノイズを巻き散らかしたかと思えば、突如「ギャッ・・ギャッ・・」とカッティングみたいな無和音伴奏にのせて曲を歌いだし、コーラスまで行くとギターも止めて自分の声だけを響かせる。しばらくするとまた「ウォー」と騒音を投げかける。何よりこの爺はこれを40年間くらいやってるわけで、俺は心から畏怖の念を抱いたのでした。

とはいえリンゼイは心から楽しそうにバンド演奏をやっていて、(曲の終わりしくっても)「ドモドモドモ~www」と持ちネタを飛ばしてくるので会場の空気もやんわり、良い空気が漂っていました。終演後はサイン会もあり、自分もこの――突き抜けた、やばい、そしてそのスタイルのまま人生を生きてきた(一応大人になった今、ここに一番感服します)――アーティストと握手、会話を交わせました。来日公演、ありがとうございます。元気なうちにまた来てほしい。
Memory_INVOKE-min.jpg終わり。


 ←ライブ動画の一曲目が収録されてます
←Illuminated! ←最新にして最高傑作。
     

タグ: ライブ感想

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

サム

Author:サム
旧一人音楽座談会。
「もう一回聴いてみよう」「こんなのもあるのか」が好きで、「これだけ聴けばいい」が嫌い。普段はTwitter↓にいます。

カテゴリ
Twitter
リンク
クリックで展開
NewCcounter